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「こちらプテラノドン、部下のあほう共が数匹飛行ドローン逃したらしい。ったく、バカな野郎どもめ。」
こう悪態を吐きながらも海を横断しているのは、部下はほぼ全員別のエリアのセルリアン退治に向かっているからである。
降り頻る横雨に揺られながら、総統のプテラノドンはさらに飛び続ける
「……いたぞっ!」
専用武器で近くに飛んでいた小さなセルリアンを1匹撃墜する。
「ドローン一体、か。逃したのはドローン35体、アブダクト12体。アブダクトは羽が濡れるだろうから数匹がいなくなっている可能性があるが……ドローンはシュートとブラストを搭載したやつがいるらしい。」
、そのとき、水の弾丸がプテラノドンの右耳スレスレを通過した
「…ッ!」
そこには、まとまった数のドローン、数匹は銃のような姿の魚のセルリアンを持っている
「こいつらか!まとめて出てきてくれて助かったな。へっ!」
空中で大激戦が始まる。
3連水弾丸をするりといなし、専用銃で三発撃ち潰し、落ちた魚のセルリアンも残さず撃って破壊
大砲のようなセルリアンの弾丸による奇襲をもかわし、後ろに迫っていたセルリアンもろとも大回転しながら全部撃ち抜いた。
「……っ…」
「最後は…お前だっ!」
最後のセルリアンを撃ち抜く、と、そこには爆弾と水草のような姿のセルリアンが……
「んなっ……!?」
バグォォォォンッ!!!!
……そのまま、きりきりまいをしながら落下していく…
「…っぐ……ふか…く…………」
冷たい風に吹かれ、プテラノドンは意識を失った。
一方、その頃オニ村では……。
テルルはオニ村のはずれの古墳近くで、銅のスコップ1つもって発掘作業に勤しんでいた。
テルル「ここ、本当に古墳なの?埴輪どころか、土器片も出てこないぞ?」
村人「そりゃおめぇ、お宝なんて、ポンポン出てくるわけねぇべさ。しかも今回はオラ達だけだ、1日やっても雀のナミダくれぇしかなか………ん?」
テルル「どうしたの?おじさん?」
テルルと一緒に古墳採掘していた村人は遠い空を見てポカンと立ち尽くしていた。鳥にしてはデカい、得体の知れないものがくるくる回って降下してるのだから
村人「おんめぇ、アレ……何だべか?」
テルル「鳥……じゃないよね、ってかあれ、オニ村に向かってるんじゃ!?」
テルルは何かを感じたのか、その場でスコップを捨ててオニ村に走っていった
村人「テルル!?いきなりどした!?」
テルル「村人に何かあったらまずい!!村人達に知らせなきゃ!!」
村人「おーい!仕事どうすんだ~!?オラ一人じゃキツいべさー!!」
テルル「後に回すよ!!村がどうかなったら、それどころじゃないやい!!」
オニ村の竪穴式住居にて…
ハンターは、スカイグライダーズがキョウシュウチホーに現れるという情報を入手し、直接叩くために遠出をしていた。セントラルをKとティマ、そしてキノに任せ、彼はキョウシュウに向かったが、かなり遠いため彼は途中ナカベチホーミカワエリアに位置するオニ村に泊まることとなった。
ハンター「…よし、とりあえず荷物は置いた。後は…」
直後、テルルの声が聞こえた。
ハンター「…ん…?何かあったのか?」(住居から出る)
テルル「あっ、ハンターさん!!村に向かってよく解らない何かが飛来してきてるんだ!」
ハンター「何だって!?なら早く警戒しなければ…!」(急いで住居に入り武器を取り出す)
テルル「ありがとう、ボクも一緒に行くよ!村を守らなければいけないから……。」
ハンター「ああ、俺も今ここに世話になっている身だ。防衛に協力させてもらう」(住居から出てサンドスターランチャーを持つ)
テルル「東国(あずまのくに)からわざわざ来てくれたのに済まないね!お礼にあとで、ご飯こっちで作っておくから!」
オニ村でカンカン銅鐸が鳴り響く中、村人は避難し、テルルとハンターはその落下するであろう何かに向かっていった……。
RIoT社員達はナカベチホーの目的地へと向かっていた。
レイン「建造物?」
ソユーズ「そう。私の管理する衛生に未確認の文明的な建造物が映った」
ジョークス「そいつを調査して調査報告を出すのが今日のおしごとなん?」
ソユーズ「そう。」
レイン「国からの支援金だ。期待していいだろう。」
ジョークス「マジか!日本大好き!今日から愛国者んなるわ!!」
ソユーズ「売女は尻が軽いな」
ジョークス「わかる」
レイン「尻を振るな」
ジョークス「・・・ん?なんか聞こえるな。」
ソユーズ「村があるようだ。調べるか。」
ジョークスが聞きつけた先には村があった。RIoTは聞き込みも兼ねて村へ向かった。
とあるチホーの森の中…
ニアラ「あっ、セラどこいくの?」
セラ「配達の為に"オニ村"ってとこにいくのよ?一緒にくる?」
ニアラ「おっ、じゃあ同行させて貰おうかな。」
セラ「あなたが居ると心強いわ。さぁ行きましょう。」
こうして二人は無事にオニ村へとたどり着いた。
その頃、村の避難所と思われる集会場所で村人やフレンズ達がごった返しになってガヤガヤしていた。
村人A「よく解らん物体が村に向かって落ちてくるらしいんだとよ!」
村人B「それってあの"鉄機人"って呼ばれてるヤツじゃないかしら!?」
村人C「バカ言え!あいつらは陸地から攻めてくるだろ!ありゃ鳥のフレンズか何かだよ。」
村人B「ビーストだったら怖いわ~。」
様々な不安の声がヒソヒソと飛び交っていた……。
プテラノドン「んぐぅ……くぉこは……っ…」
テルル「今、音がした!?ハンターさん、あそこだよ!!」
ハンター「ああ、わかった!」
テルル「様子をみるに、鳥じゃあないよね?コウモリでもないような、ひょっとして、天狗か何かかな?」
テルルとハンターの背後から、村人達が縦穴式住居や高床の倉庫の影から様子をうかがい始めていた。
プテラ「ん……ぐぅ……っ、はぁ、はぁ、本部に帰らないとっ……」
村に到着したRIoTは堂々とプテラノドンの落下地点に近づいていく。
ソユーズ「フレンズが不時着したらしい」
ジョークス「ほーん、飛ぶのが下手な鳥かなんかかね」
ハンター「RIoT!どうしてここに…?」
ジョークス「ん?あーあの、あの、ヒトね?」
レイン「ハンターだ、覚えろや。」
ソユーズ「はじめまして。ロシアンライカのスヴェータ・ズヴェズダだ。ソユーズでいい。」
ハンター「…まあいい、ソユーズ、よろしく頼む」
テルル(なんか、見慣れないフレンズ達まで来てるぞ……?でも、そっちは後、まずはこのフレンズを助けなきゃ。)
そう思ってテルルはプテラノドンに近付いて声をかけた。
「おーい!そこのフレンズさん!聞こえる!?大丈夫!?」
レイン「原住民フレンズか、・・・恐竜・・・」
プテラ「んっ…ぐ、本部に帰らないとっ、くそっ、エンシェンツの小型機もぶっ壊れてる、完全には壊れてないようだな。っ……行かないと…っ」
そういうと飛び上がるが、翼が損傷しているためにうまく飛び上がることはできない
テルル「無茶だよッ!そんな体で行ったらお姉ちゃん死んじゃうよッ!」
レイン「堕ちたのは翼竜か。おい、ここで何があった?」
プテラ「…っ、だめか、くそっ、通信機器を直して……迎えを呼ぶしかないな……」
焦っているのか、周りの会話はあまり聞こえていないようだ
ジョークス「おい!聞いてんのかこの化石野郎が!」
ジョークスは耳元で叫んだ
ハンター(…酷い傷だらけだ…)
テルル「そ、そんなこと言われても!?こっちが聞きたいよ!!」
プテラ「うわっ!?」
プテラ「な、なんだっ、貴様らっ…」
テルル「待って!待って!ボクは敵じゃない!君がボクの村に落下したのが見えて、こっちに急いで来たんだよ。」
急に敵意らしいものを向けられたのか、テルルは慌てて回答した。
レイン「先に質問に答えろボケ翼竜、なぜ堕ちた?喧嘩でもしてたのか?」
プテラ「あ、あっ……く、貴様らが何者なのか知らないのに答える義務があるのか?私はすぐに帰らないと……いでっ、でっ、ぐぅぅ……」
ハンター「おい、あまり身体は動かすな…下手すると更に酷くなる」
テルル「ハンターさん、このお姉ちゃん、ボクん家まで運ぼう!頼める?」
ハンター「ああ、了解した。任せてくれ」
プテラ「っ、なんだっ貴様ら!」
テルル「話なら後!とりあえず、ボクの尻尾に乗って!」
プテラ「尻尾?…お前の尻尾……?」
テルル「フレンズ一人くらいなら乗せれるさ。」
プテラ「っあああああっ!!!!」
何かに気づいたように叫ぶ
テルル「わわわわわわ!?ぼ、ボクじゃ嫌なの!?」
テルルも急に叫んだプテラノドンにビックリした
プテラ「貴様……テノスの仲間か、こんな場所で私の首を取ろうってのか?ふ、ぐっ、ともかく……お前が恐竜の仲間だとわかったら話は別だ……私は断固拒否するぞ…っ!」
ソユーズ「こいつは危険だ、無力化しよう。」
テルル("テノス"………誰……?)
ハンター「待てソユーズ、悪いがそんなことは言うな」
ソユーズ「見知らん翼竜で敵意がある、周りの人間に被害が出る前に縛るべきだ。」
プテラ「あぁ…私は翼は損傷しているようだがなっ、これは使えるんだッ!」
徐に弓程度の大きさと形を象った銃を出現させる
ソユーズ「伏せろ」
テルル「いきなりドンパチはやめてくれ!!話なら聞くから!まずは!!」
ハンター「!?」
テルルはソユーズを庇うように両手を広げた
プテラ「他の奴らは関係ないっ!私は恐竜だけを狙ってるんだ!」
テルル「ボクは君の事なんて知らないぞ!?」
プテラ「貴様が知らなくても私には用があるんだぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
……不意に、こときれたようにばったりと気絶してしまった。
大声をだして、体力を使い果たしてしまったようだ
ハンター「…」
レイン「拘留しろ、銃を奪え。」
ジョークス「そこのステゴサウルス、こいつに嫌われてんの?」
テルル「し、知らないよ!ボク、このお姉ちゃんに会ったこと一度もないもん!」
ハンター「…にしても、何故あんな大怪我を…」
テルル「セルリアンかな、それとも最近ウワサで耳にする"鉄機人"ってヤツにやられたのかも……。」
ハンター「…鉄機人…名前は聞いたことはあるが…まさかそいつが…?」
テルル「解らない。とりあえず、このお姉ちゃんを早くボクの家に……あと、そこのらいおっととかいうでっかいお姉ちゃん達、迷惑かけちゃったみたいだから、あとはこっちでやっとくから、ゴメンね!」
テルルは苦し紛れにRIoTの面々にウインクした後、プテラノドンを尻尾に乗せて、ハンターと一緒に自宅の縦穴式住居に運んでいった。
セラたちは村に着くと異様な静けさと一方からの騒がしさをかんじた。
お祭りかなんかかとも思ったが聞こえる声からはあまり良くない出来事のような気がした。
セラ「…お届け物よー!だれか居るかしらー?」
ニアラ「…この辺は静かだね。すこし奥まで行ってみようか。」
セラ「そうね…」
奥に行くに連れて聞こえる声が大きくなってくる。
二人は歩きながら耳をすませる。
セラ「…怪我人がいるのかしら…?」
ニアラ「この騒ぎ、セルリアンかな?ちょっと行ってくる!」
セラ「あ、ニアラ!私も行くわ!」
二人は声のする縦穴式住居に走っていった。
テルルは縦穴式住居まで、足を運んだが、天はそれを許してはくれなかった。まるでプテラノドンを狙ってくるかのように、更に空から複数の影が迫ってきたからである。
ハンター「な、何だ…あれは…」(ランチャーを取り出す)
ハンターとテルルが影の方向を見ると、本土では見たこともない形状の小型セルリアンの姿が目に飛び込んできたのであった。
テルル「とりあえず、このお姉ちゃんを自宅に寝かせておく!そしたらすぐにハンターさんの所に行くからちょっと待っててくれ!」
ハンター「わかった!」(セルリアンをランチャーで一発一発撃つ)
テルル「ハンターさん!今来たよ!」
迫ってきたドローンの数は、不幸中の幸いなのか、五体ほどであった。
ハンター「よし、じゃああのセルリアンが近づいてきたら攻撃を頼む!」
レイン「一人1体だ。とっとと終わらせる」
テルル「よく解らないけど、お姉ちゃん達もありがとう!」
ドローン「「「………!!!!」」」
テルル「まずは!ボクから!」
テルルはジャンプして、近付いてきた1体のドローンに対して、回転蹴りを浴びせた
ハンター「迎え撃つ!」
ランチャーに杭を付けた彼は狙いを定め、もう1体のドローンに放った。
レイン「CFRPクレイモア。」
ザクッズバンッ
敵前に飛び込んだレインが巨大な黒い剣を振り回しドローンを切り刻んだ
ジョークス「ここ法整備は?無いよね!撃つ!!」
バァンッバァンッ
ジョークスは飛ぶ鳥を落とす勢いでショットガンを連射して一体を墜落させた
ソユーズ「重力加速」
ズガッ
ソユーズが指を振るい、何らかの力により残りの一体を地面に叩きつける。
テルル(くれいもあ!?それによく解らない火弓による攻撃!?なんだなんだ!?あの武器は!?ボクの村の"外の世界"ってこんなにスゴいものが普通にあるのか!?)
テルルはハンターやRIoTが繰り出す見たこともない異国の武器に、見たこともない異国の戦術を目の当たりにした時、興味、恐れ、焦りあらゆる気持ちがなだれ込んでしまい、一瞬手が止まっていた。
ジョークスはショットガンを掃射し、ソユーズはアサルトライフルを連射して各々の相手を仕留めた。
テルル「いけない!?こうしちゃいられない!!」
テルルは我にかえり、最後の一体を仕留めるべく、テルルは助走をつけて走り出し、そんなに高くない高さまで跳び跳ねた。
テルル「これで終わってくれッッ!!」
そして、テルルの尻尾のサゴマイザーがドローンに直撃した
ニアラ「何事っ!」
セラ「お届け物よ~…ってセルリアン!?」
そこへ駆けつけてきたニアラとセラが姿を表した。
セラ「って…これがラストだったのかしら……?」
テルル「なんとか倒せたけどね………。」
ニアラ「そうなのか…」
セラ「露骨にテンション下げないの。みんな無事…じゃないようね」
テルル「大した被害が無くてよかった……。にしてもハンターもRIoTのお姉ちゃん達もスゴいよ、あんな武器初めて見たからびっくりしちゃったよ!」
プテラ「あぁうるっさいぞお前ら!!!!!何やってんだ!」
テルル「えっ!?もう元気になってる!?」
レイン「てめェのお残しだろォが、クソザコ翼竜が」
ハンター「傷は大丈夫か?」
プテラ「っ、きっ、貴様らは…何と戦ってたんだ?」
ジョークス「特定指定危険生物、セルリアンだよ」
プテラ「まさか、私が追っていた、飛ぶやつか?」
ジョークス「そーだよ、お前あのザコセルに敗けたんだよ。ざぁーこ♡」
セラ「ジョークス?静かに出来るかしら?」
プテラ「っぐ……、今すぐぶち抜いてやりたいところだが…今回は私の失態だ。潔く感謝しよう…」
テルル「そうだ、ヨクリューお姉ちゃん、さっき言ってたけど、なんでボクを憎んでるの?ボクはあなたを初めて見るんだ。」
親指を口にくわえながら、無垢で純粋そうな顔をしてプテラノドンに話しかけてきた。
プテラ「だあぁっ!それやめろ!」
またも銃をプラズムで出現させ、テルルに突きつける
その時、テルルの顔がこわばり、肉食獣のように瞳が縦一本になり、静かに言った
テルル「撃つなら、ボクだけにしてよ。周りのヒト狙ったら怒るぞ。」
プテラ「はぁ……その方が幾分かマシだ……」
銃を静かに下ろす
プテラ「あのなぁ、私はそこらへんの奴らなんて心底どうでもいい……問題は恐竜と、鳥だけだ!わかったか!」
テルルは元の子供っぽい顔に戻り、プテラノドンに言った。
テルル「わ、わかったよ……その鳥とか恐竜っていうのが君から大切なものとか、奪ったりしたんだ……酷いことするんだね。」
そして、その後悲しそうな表情を向けた
ジョークス「あのー、」
ジョークス「お前らまず自己紹介したらどうなの?」
テルル「あー!ゴメンね!すぐするね!」
ジョークス「社会の常識はちゃんと学校でお勉強したかな?」
テルル「お、お勉強は今してる最中だよ………」
テルルの頭の耳のような骨板が垂れ耳のように下がった。
テルル「改めて自己紹介するね。ボクはステゴサウルス!ステゴサウルスのテルルっていうの!オニ村で農作業とか土器作りとかやって生活してるんだ!」
プテラ「ステゴサウルス!?ステゴサウルスはテノスだけだろう!」
テルル「テノスって、ステゴサウルスなの!?」
プテラ「貴様に話す義理はない。が、私が何をしていたかだけは言おうか…」
テルル「う、うん。」
プテラ「私はンッン、とある場所から逃げてきたセルリアンを退治してたんだ。そう、だな、みんなの平和のために?」
プテラ「私が、そのセルリアン討伐隊のリーダーを務めている、プテラノドンだ。」
テルル「なんだぁ、遠方の国分寺のフレンズかぁ、いきなり叫んだり、恐竜が何だのって言うから警戒しちゃったよ。」
※国分寺=ミカワチホーにおける探検隊や自警団の呼び方
プテラ「今でも貴様が憎らしくて仕方がないのは変わらんがな。不和は起こしたくないし、今回だけは見逃してやる」
テルル「ボクが憎いのはわかったよ。でも、もう外が暗くなって来たから今日はボクん所に泊まっていってよ。のたれ死んだら憎むことも出来なくなっちゃうよ?」
プテラ「いやいや、ここはもう憎らしい恐竜風情に借りを作りたくないんでね。丁重にお断りさせていただこうか。」
わざとらしい笑顔で断る
プテラ「して、自生した果物かなんかはないのか?……少量の弁当で…足りるかな……」
ソユーズ「ボトル水とカロリーメイトならあるが・・」
プテラ「お、いただけるかな?もちろんタダでとは言わないぞ。」
セラ「サンドスターは足りてるかしら?サンドスターを無理矢理体に入れる薬ならあるけど」
テルル「じゃあ、ご飯だけでも食べていって!セラちゃんから貰った食材もあるし、簡単なのなら作れるよ!」
レイン「ならてめェが何故堕ちてきたか話せ」
ハンター「俺も少し気になる」
プテラ「ああ、ヘマしたんだ。部下がさらにやばい仕事に行ってるもんでな。ボス一人で。バカな話だろ?笑ってくれ。」
ジョークス「緊急の敵はさっきのザコでおしまいってことか。おけおけ」
プテラ「そゆことだ。」
プテラ「遠慮しておく。」
テルル「しかし、今日は色んな事が起きすぎて目が回っちゃったよ!こんなにも沢山の伎人(テヒト)に出会うなんて……。」
※伎人とは古代日本における渡来人の呼び方です
プテラ「して、めいと?と水を分けてくれるのは?」
テルル「はい!水あるよ!」
プテラ「あー……私がそこのスペースレンジャーとお話ししてるの見てた?」
ソユーズ「え・・・」
テルル「あー、ゴメンゴメン!色々あって疲れてるのかも……
」
テルル「でも、セラちゃんも大変な時に来たね。配達ありがとうね!」
セラ「大丈夫よ、それよりテルルもしっかり休みなさい。それだけ疲れてるならあまり無理しない方がいいわ。」
プテラ「ん、まだお支払いが足りないかな?異国ではこういうものが人気らしいのだが。」
そういうと、そこそこ大きな金鉱石や宝石の原石をころりと懐から取り出す
テルル「わ、スゴい!こんなの持ってるなんてプテラノドンって多伎鹵(タケル)なの!?」
テルルは犬のように尻尾を振って喜んでいた
タケル=古代日本における猛者の意味
ソユーズ「金?そんなこう「サンクスサンクス!水とは丁度いい交換条件じゃないかぁ!!」
ジョークスは遮って金を通貨であるように受け取った。
セラ「ちょ、ちょっと待ちない。これ、本物なのかしら…?」
プテラ「助かったよ、これで野宿ができるな。儲かった儲かった……」
ハンター「何故そんな物を持っている…?」
セラ「あなた、これの価値は知ってるかしら…?」
ソユーズ「そ、そうか、以後セルリアンには気をつけるように・・・」
プテラ「金とか宝石とか言うらしいが、我々にとっちゃあ食えない石ころは価値ないよ。変わり者が加工して綺麗に着飾ってるだけだ。もらいたきゃ持っていきな、気に入らなかったら捨てても構わん。」
そういうと水をぐびぐび飲み始める
プテラ「ぁぁ〜っ!うまいっ!!」
ジョークス(見ろよクジャク!これ本物の重さだぞぉ!)
レイン(驚いた、棚から金塊じゃねェか・・・)
セラ「い、いや……あー、食べられない石だとしても大事に持っておいた方がいいわよ?これはものすごい価値があって水だけじゃなくて、もっと貴重な物と交換できるのよ?」
テルル「これって、古墳の宝物とそっくりだよ!!ありがとう!!大切にするよ!!」
ニアラ「本物の金とかって初めて見たかも~」
プテラ「お、お嬢ちゃんも欲しいかな?綺麗な石〜」
プテラは先ほどよりもう少し小さいのをセラたちにプレゼントする
プテラ「おい恐竜!お前にはあげてないだろ!」
ハンター(こ、こんな高価な物が石ころだって…!?)
ジョークス「お前らなんなん!?カネと商売の意味分かってる!?!?!?」
セラ「えっ、いいの?綺麗…職人さんに頼んでアクセサリーにして貰おうかしら…じゃなくて、ホイホイあげていいものじゃないのよ!これは!」
ジョークス「ウチがメシおごった分の対価がウチに支払われてるんだよ!カネが欲しかったら自分らで働けやイナゴ!」
テルル(ボクのものにはならないけど、スゴいものを持ってるんだ……古墳に眠ってた財宝と同じくらいスゴいものを……プテラノドンの國にも「王」が居たのかな。)
ニアラ「水とカロリーメイトが金塊に…藁しべどころじゃないね」
レイン「おい、ステゴてめェ今古墳と言ったか?ウチはその古墳を調査しに来たんだが」
テルル「えっ、調査してくれるの?!」
レイン「ウチはフレンズ企業RIoTだ、てめェらが報告しないせいで未確認建造物としてウチに依頼が回ってきたンだよ」
ジョークス「ちなみにこいつはクソクジャクのレイン、そっちの宇宙服はソユーズだ。ボクは華麗にしてエッチなクロギツネのジョークスだお」
テルル「よ、よろしく……。」
今日の日記、✕月◯◯日
東国(あずまのくに)から檀ノ浦に現れるスカイグライダーズという密猟者を追うべく、宿を取るハンターさん、ボクの古墳を調査するべくやってきたRIoTという会社のレインさんにジョークスさん、ソユーズさん。極めつけは遥か遠い異国からやってきた伎人(てひと)のプテラノドンさん。とにもかくにも色んな立場の人達が一度にやってきた。
しかもこのプテラノドンというヒトは、恐竜や鳥の事をとっても憎んでいるらしく、ボクにはつっけんどんな態度で接してきた。一晩宿を取らないのも、ボクのような恐竜の力を借りるのが嫌だという理由だけのようだ。何でか知りたいけれど、ボクはこれ以上関わらない方がいいと思ったので、そのまま行かせてあげることにした。
まぁ、とにかくボクとセラちゃん、ニーアちゃんの三人は大慌ての1日を過ごすことになってしまったんだ。ボクも疲れたよ………。
一方そのころ………。
数時間後三河エリア北部山麓の森林
陽光が差し込むカシやシイの並ぶ森の中、ツシママムシは周囲を見渡した後に何者かと携帯型無線機で通話をしていた。彼女はその場で姿勢をかがめ、片膝をつきながら話しており、その片耳にはマイク付きのイヤホンが装着されていた。
数日前エンチュウちほージャパリリゾートリュウグウ北西対面所
板張りの床に畳の座所が敷かれ、そこに長い銀髪と透き通った朱色の長い髷を持つフレンズが立膝で座っていた。その正面の下座に茶色いヘビのフレンズが、その右手前に全身真っ青なクラゲのフレンズがそれぞれ胡座で腰を下ろし、ヘビの方は爪甲礼(そうこうれい)をしていた。
リュウグウノツカイ(以下”宮”)「ツシマ、此度はよくぞ参じた、面を上げよ。早速だがお前に頼みがある」
ツシママムシ(以下”ツシマム”)「は(了解の意)」
宮「カンムリ、ことの経緯を説明しろ」
カツオノカンムリ(以下”カンムリ”)「はい、まずはこれを」
カンムリは布に包まれた何かをツシママムシの手前に差し出し、その布を開き、中を見せた。
そこにはパークには珍しい銅鏡のようなものあった。
カンムリ「2週間前、エンチュウちほーに識別コード”ドローン”で呼ばれるセルリアンの遺物から見つかったものです」
ツシマム「これが如何したのだ」
カンムリ「フレンズ人文科学研究所のデータベースと照合した結果、これがナカベちほーミカワエリア、オニ村のものだと分かりました」
ツシマム「オニ村、パークが未だ手を付けぬ土地だと」
カンムリ「ええ、そのオニ村です。同種のセルリアンがオニ村製と思しき工芸品を持ち出し、そのまま散開している様子が各地で観測されています。また、これらが本土の文化財やそのレプリカだという可能性は極めて低いと考えられます。あれらはパークにとって全く想定外のものでしたから」
宮「そしてそれが、このエンチュウまでたどり着いたということだ。ツシマ、お前への頼み事とは銅鏡のありかを探り、オニ村へと向かうことだ」
ツシマム「は、恐れ多くも宮様、此度は如何なる御意向でございましょう」
宮「人文研究所の調査によれば、例のオニ村には独自の文明があるという。お前にはこの銅鏡のありかを突き止めるついで、それがオニ村だった場合、私の勅書を届けてもらいたい。手つかずの土地といえど、いざオニ村が動いた時に何も知らぬのではパークが後れ(おくれ)を取るからな」
ツシマム「パークの代わりに調査へ赴くと」
宮「左様、話は以上だ。引き受けるか?」
ツシマム「御意のままに」
宮「(通信)位置情報を捉えた、無事ミカワエリアに到着したようだな」
ツシマム「は、左様にございます、宮様」
宮「長らくの山道、ご苦労であった。衛星写真によるとそのまま南西に向かった先が街道になっている」
ツシマム「は、宮様、お伝えしたいことが」
宮「何だ?」
ツシマム「この森には争いの痕がございます。サンドスター濃度が基準より高く、セルリアンがここで討たれたのやもしれませぬ」
宮「オニ村の仕業か?」
ツシママムシは足元に散乱する無数の薬莢の一つを拾い上げた。
ツシマム「ライフル弾の空薬莢があります。恐らくは部外者かと、オニ村の者が火器を有するとは聞き入れておりませぬ」
宮「銃器を使ってくるなど聞いておらんぞ。まあ、有事に備えてお前には太刀を貸してある。鎖鎌一つでは長旅に心もとないだろう?」
ツシママムシは左腰に、鞘に彼女の模様そっくりの塗りが施された陣太刀を佩き、同じく黒塗りの脇刀も差していた。
ツシマム「恐れ多くも、拝借しております」
宮「こうなると分かっていれば、お前に45口径でも持たせていただろう。ともかく無事を祈る、通信終了」
ツシマム「は」
ツシママムシは森を南西に抜け、街道に出た後、そのままオニ村があるとされる南へ向かった。いくらか歩いた先には予想通り村の環濠らしきものがあり、堀の外側には柵が建てられ、堀をまたいだ内側には逆茂木が刺さっていた。
彼女は柵のところまで歩んで行くと、入り口に守衛がいないことに気付いた。さらには村に人気はなく、使いであることを申し出ようにもできなかったのだ。
仕方なくツシママムシは村に入って行った。
「これは、古の国か……?」
周囲の古式の建造物群を見て、ツシママムシは半ばこれらが独自の文明なのかを疑っていた。当惑している暇もなく村の内部に歩んでいくと、彼女はそこに他のどの建物よりも大きく横に長い建物を見つけ、人が消えたならこの中だと思い、その入り口の簾の前でこう言った
「誰そおらぬのか!」
すると、村人の数名が出てきてツシママムシへ向かって怯えるように細々と言った
村人「お、おサムライさんかね……うちの村にい、一体何用ですかい?」
村人B「もしかして、昨日の天狗のお仲間かしら!?」
村人C「きっとスルガチホーのお役人様かもしれねえな。」
ツシマム「この鏡はお前たちの物か」
ツシマムは片から掛け、背中側にまわしていた風呂敷から例の銅鏡を取り出して布を解き、中身を見せた。
村人「おお!?そうじゃ!そうじゃ!それはうちの村のマツリに使ってる鏡!!持ってきて下さってありがとうございますだ!!」
村人C「早速テルルに知らせに行かねぇとなぁ。」
村人の一人はツシママムシに感謝をし、またもう一人はテルルの家に向かって急いで走っていった。
ツシマム「お前たちの長に話がある、この村についてだ」
村人はまたざわつき始めた。
村人「え、いきなり長を指名したわよ……」
村人D「大丈夫か?昨日の天狗と同じ危うさを感じるぞ……」
村人はまたざわつき始めた。
村人B「え、いきなり長を指名したわよ……」
村人D「大丈夫か?昨日の天狗と同じ危うさを感じるぞ……」
村人達がざわついている中、長が顔を出した。
村長「お前さんが、何処の誰かは知らぬが、こんな小さなワシの村に何用かの?」
我こそは北海を征すリュウグウが主(あるじ)、天命を賜り深淵より現世へお現れになられたリュウグウノツカイ様の勅言を賜り参った者だ
(もちろんこれらは高慢ちきなリュウグウの自称である)
村長「竜宮とな?これまた凄い客人が現れたものだ……その勅言とやら、この場にて申してみよ。」
そう言ってツシママムシは三つ巴に波やサザエのモチーフをあしらったリュウグウの魚袋("ぎょたい"ジャパリリゾートリュウグウのお土産コーナーで売ってるやつ)を見せた
村長「ふむ、由緒正しい所の者のようであるな。話を聞くとしよう。」
村長が言い終わると、その途中村人に引っ張られて、テルルも走ってやって来た
テルル「えぇ!?今日も見慣れない伎人(てひと)が来てるの!?どこどこ!?」
村人C「あそこだよ、あそこ。あのおサムライさ……。」
指差された方向をテルルはじっと見た。
リュウグウ
宮「聞いたか!奴ら我らの魚袋(ぎょたい)に敬意を示したぞ!商品化した価値はあった!ハッハッハッ!!!」
カンムリ「まだあと100個くらい在庫ありますけどね」
ミツマタヤリウオ「そもそも誰も身分証として使っていないのよ」
カンムリ「いいように利用されたツシマさんがかわいそうですね」
宮「何この!!!!」
ツシマムは村長に言った
「詳しくは中で話せないか」
村長「それは、私とそなただけで……という意味ですかな?」
ツシマム「宮様の勅言は、立ちあって話すには無礼なことだ。中で改まって伝え申し上げたいだけだ」
村長「あいわかった。では中へ……。」
村長はツシママムシを集会場の中へゆっくりと案内した。
テルル(また、波乱万丈な出来事が起きそうな予感がする!)
テルルも後に続くように中に入っていった。
テルル「一体何が始まるんだろう?変なこと起きないといいけれど………。」
プテラ「おっ、処刑でも始めるのかな?ここは少し見物させてもらおうか……」
まだ完全に治り切っていない翼をぱたりとはためかせ、物珍しそうにやってくる
テルル「処刑?変なこと言わないでよ……。」
テルルは困惑した表情でプテラに言った
プテラ「うぇ、お前私の呟いた独り言をでっかいこえで復唱するなよ!」
テルル「処刑なんて言うからだよ!もう!」
村長「皆のもの静まれ!今日来た竜宮の使者が申し上げたい報せがあるそうだ。」
ツシママムシは村長と向かい合って胡座した。
(本来ならツシマムが上座に座るところだが、見知らぬ者たちにそのようなぶしつけはできなかったのと、そもそも入り口が中央にあるこの建物のどこが上座なの決めようがなかったのである。)
次に銅鏡を差し出してお返しし、次にリュウグウからの勅書を開いて読み上げた。
勅書は漢文で書かれていたが、ツシマムはこれを口語に読み下して奉じた。
(花押《サイン》)
天命を受け深淵より現世へ昇りし天子たるリュウグウがオニ村村長へ書を送る
我、リュウグウノツカイが思うに、汝らオニ村も属すジャパリパークは広く、ヒトやフレンズの住める場所は遠く離れても親睦を深めるものだ。
全てジャパリパークに住める者はセルリアンの脅威に脅かされ、それはパークのあらゆる土地に及んでおり、共にそれらから身を守るためパークに繋がることは正に一家のようなものと考えるところである。
しかしその何事も知らずして、何者とも存じ上げぬ汝らオニ村がパークを渡り歩けは、多くのものを惑わすことになる。このことは一家のようにあるべきジャパリパークの理と言えるだろうか。
外の世界を知ろうと思うなら我らエンチュウちほーの者をあてにして使節を送られよ。その時は我らが一家のように歓迎しよう。
(年月日)
読み上げを終えると、ツシマムはこの勅書の読み下しの写しを村長に差し出した。
村長「ふむ、随分とトゲのある内容ではあるが、筋が通っておる部分もあるから、そこは認めねばならんな。」
ツシマム「勅言はこの通りだ、後は汝らが決められよ」
村長「うむ、考えておこう。」
そう、静かに言った後に村長はツシママムシに向かって一言言った。
「銅鏡、取り返してくれたことを感謝致す。御礼になるかは知らぬが、これでも持ち帰ってくれたまえ。」
ツシママムシに翡翠の勾玉と手のひらに乗るほどの小さな銅鐸を渡して、その場をノロノロと去った
プテラ「はぁ、ドンパチはしないのか。つまらないなぁ」
ニアラ「戦わないのか…」
プテラ「お、お前もドンパチ期待してたのか。残念だよなぁ…」
テルル(血の気が多いフレンズってよく解らないなあ……。戦いなんて身を守る程度で十分なのに……。)
ツシマム「すぐにでも返答を出せるなら、俺は近くに留まる。いずれにせよ、此度はこれにて席を外す」
ツシマムは立ち上がり、外へ出た
しばらくして、静かになった後、テルルは思わず肩の力が抜けてキリカブのイスらしきものに座り込んだ。
テルル「ひゅーーっ、変な汗出ちゃったよー!」
オニ村のはずれ
ツシマム「宮様の勅言、確かに読み申し上げました。返答にはまだ踏みとどまっております」
宮「(通信)よくぞ使命を果たした、ツシマよ。帰ったら私の手料理でも振舞おう!」
ツシマム「は……」
その後、村人達は今度はプテラノドンの方を見てざわつき始めた。
村人A「昨日さ空から降ってきたんはあの天狗様みてぇだな。」
村人B「何だか怖そうだけど、カッコいいじゃないの。」
村人C「俺、テルルから聞いたんだけどああ見えて財宝ザクザク持ってる身分らしいからタケルかもしれないぜ。」
プテラ「お、おいなんだっ!私は見せ物じゃないぞ!」
そう言いつつも、銃は出さずに声を張り上げるだけのようだ
テルル「みんな、落ち着いてよ!この人悪い奴じゃないんだ!ボクのお友達だから大丈夫だよ!」
プテラ「はぁ!?バカ言うのも大概にしろよ!!!!」
ツシマムは村の入り口近くで思惑していた
「この村、独自の文明に得体の知れぬ墳墓があると聞く。真偽を確かめるべきか……」
テルル「バカじゃないもん!」
プテラ「黙れっ!いつから貴様と友達になったんだっ!!!」
即座に弓銃を取り出して照準を向ける
テルル「………。」
テルルはピタッと止まった。
テルル「お願い、ボクが悪かったよ。頼むからここで暴れないで。」
テルルは静かに言った
プテラ「……わかれば、それでいいんだ。」
静かに銃を下ろし、銃がプラズムになってふわりと消える
テルル「ボクはプテラお姉ちゃんの事情とか知らないけど、君の国だと恐竜とか鳥ってのはプテラお姉ちゃんが憎むほどスゴく恐ろしいことする存在なんだってのは理解できた……。」
そう言ってテルルはまた、自宅へ戻っていった。
結局ツシマムは来た道を戻り、大型住居の近くで村人たちに尋ねた。
「この村が如何なる場所か、示せる者はおるか」
テルル(何だ?あのサムライ、まだ帰って無かったの?)
テルルはツシマムの様子を立ち止まって見ていた。
ツシマム「使者の身で村の物色はできぬ、案内人が要るのだ」
テルル「う、うん知ってる限りなら出来るけれど……。」
突然のことであたふたと困惑していた。無理もない、何の前触れもなく、突然現れたサムライに村の案内役を頼まれてしまったのだから。
ツシマム「古の剣竜か、俺は何も調べずして宮へは帰れぬ。村について分かっていることを申せばよい」
テルル「うん!じゃあボクについてきてね!」
それから、テルルはツシママムシを連れ、村の宝物庫や、田園、物々交換の大型の倉、飯屋、埴輪や土器の工房、巻物や木管で記された書物が保管されてる図書館、更には村の外れである花丸古墳郡にまで案内を行った。
案内すること二、三時間が過ぎ……
テルル「ど、どうかな……自分が入れる所は大体見せたつもりだけど……ふぅ……。」
テルルは緊張に次ぐ緊張で顔が強ばったままだけど、少し笑顔を作ってさらに話を続けた
テルル「でも、最後に見せたこの古墳ってのが謎が多いんだ。名前こそ"古墳"だけど、本当にお墓の為に作られたものなんだろうか?本当はでっかい"おーぱーつ"っていうものなんじゃないのかな~って感じることもがあるんだ。調査はすっごい気の遠くなる作業なんだけど、やめられないんだよね!」
ツシマム「入れる場所が限られているとは」
テルル「そりゃ、他人の家には入れないよ!そんなことしたらボク怪しまれちゃう!」
ツシマム「"墳墓"の中は、あれが全てということか」
テルル「そんな所だね。」
「あの30を越える古墳は謎だらけさ、ボクだって知らないことばっかりさ。」
テルルは照れ臭そうな笑顔で言った。
ツシマム「見るべきものは見ただろう」
「夕刻だ」
西の空を見てツシマムが言った
「俺は明日まで村の近くに潜む、それまで勅書の返答を待とう」
テルル「うん、村長がうまく答えれるといいね。」
そうツシママムシに言って、テルル君はクタクタの身体で家に今度こそ帰ろうとしていた。
昨日はプテラノドンと異国のセルリアン、今日はエンチュウの竜宮からの勅言と、未知との遭遇のオンパレードにやられていたからだ。
その後、テルル君は我が家に戻り、豆乳と白米を土器で煮炊きをしながら簡素な雑炊を作って食事をした。そして、彼女の頭のなかではもうひとつの感情が芽生えていた。
オニ村より外の広いジャパリパークの世界ってどうなっているんだろう?と………。
不安と恐れの土から興味という名の種から"芽"が生えようとしていた。
そして、外はすっかり暗くなって夜になっていた。
ツシママムシは結局、村人に一晩の宿を乞うかそうするまいかと思案していた。
プテラノドンは、通信機器が直るかどうかの調整を行っていた。灯りがないので民家の光を頼りに、墜落した時に砂が入った場所を丁寧に拭き取っていた。
プテラ「あの恐竜野郎め……この通信機器さえ治れば私は…」
寄ってくる蛾を振り払いながら、プテラノドンはぶつぶつと喋りながら残り物の弁当をそばに置く。
プテラ「ま、今日はこの辺にしておいてやるか。砂は全部取れたし。」
ジョークス「ふぁーー・・・」
RIoT社員は写真や位置情報の調査を終えた。その頃には仕事を初めてから2度目の太陽が登っていた。
ジョークス「まったくよ、ボクらだけで巨大古墳群の状態調査なんて人数てきにムリっしょぉ・・・二徹だぞ二徹」
レイン「てめェ居眠りしてただろォが」
ジョークス「えーだって鳥は半球睡眠できるっしょ、犬は忠実だから2徹ぐらい余裕だろ?ボクはそうはいかんざきだよまったく、あーだる」
ソユーズ「眠い・・・船外作業でもこんなハードワークは無いぞ・・・」
プテラ「よう、精が出てるか?」
鼻歌まじりに調査中のRIoTを見物している
ジョークス「おうよ・・・栄養糧食はうまかったかい墜落女・・・」
レイン「今仕事が終わったところだ墜落野郎、・・・あぁ、そういえば」
レイン「なにか機械を壊したようだな。今ある工具で治せるか見てやる。まだ金はあるか?」
プテラ「んまあ……これでしまいだが……」
スケールダウンはせど、そこそこの大きさの金鉱石を取り出す
レイン「それで構わん、十二分だ。そいつを少し溶かして導線に代用すれば治る。」
ジョークス「金銀は融点が低いんだぜ~」
ツシママムシは村はずれの木陰で、崩した胡座で太刀を抱えるようにして、有事にはすぐに抜刀できるよう足の間に柄を突き立て鯉口を切ったまま仮眠をとっていた。
プテラ「おお、ありがとう。世話になるな色々…」
ジョークス「見てみ?知ってるかもしれないけどさ、ガブーーーーッ!」
ジョークスはおもむろに金を噛んだ。金には歯型が残った。
ジョークス「柔らかいからこんなんなるんだぜ~」
プテラ「ほぉ…それで……なるほど、装飾以外にも加工で修理が…ふむふむ、そういえばそんな知識を本で読んだ気がするな。」
ジョークス「科学は人のためになるからな!勉強しろ勉強!大学行け!」
プテラ「なるほど、我々も採掘というものを始めたほうがいいかもな。採掘システムが完成すれば君たちにも少し分けてあげよう。」
レイン「感謝する。技術と交換でそちらの文明に一度招待いただきたいものだ。」
一方ハンターは既に目を覚ましていた。傷だらけの顔を晒し、住居の前に座っていた。
ハンター「…」
テルルは二日に渡って続いたドタバタで疲れていたのか、まだ自宅で眠っていた。
テルル「ぐーすぴー……。」
ハンター(キョウシュウに奴らが現れるのは約6日の間…出てきた時はKが知らせてくれるが、まだ現れてはいない)
ハンター(ここも2日の間、かなり騒がしかった。今日は無事なら出発するが…何か嫌な予感がする)
そして、そのハンターの「嫌な予感」はズバリ的中することとなった。
村のハズレの森林地帯にセルリアンが三体ほど潜伏して機会を伺っていた。その容姿はセルリアンというにはあまりに無機質かつ物質的で、身長も150センチと小柄で
ヒトガタの機械そのものであった。
そして、頭頂部にある半球状のガラスのような部分に座っている、10センチほどの1つ目の人形のような、兵士達が無機質に、機械の読み上げ音声のように喋りはじめた。
セルリアン兵士A「こちら、ミカワチホー戦闘偵察部隊、一番機、作戦開始地点に到達、完了。」
セルリアン兵士B「2番機、3番機、同じく指定位置に到達完了」
セルリアン兵士C「サーチ、開始、サーチ、開始」
ツシママムシはこの駆動に伴う振動を地面伝いに感知し、浅い眠りから覚めた。
「……、これは機械の駆動か?オニ村にかような物があるはずは……」
そして、フレンズを模した機械人形は三機同時にオニ村に向かって動き出した。
フォオォオォオ………。
ホバーで動くその姿は、地面をスキーかスケートで滑るかのように滑らかで、高速であった。
ツシママムシはこの異常に、ヘビの皮膚感覚を通して振動が伝わることから、地面を移動してくる物体を想定して近くの木に上った
鉄機人は、そのツシママムシを通り過ぎ、そのまま村へと更に進んだ。
セルリアン兵士A「攻撃目標、合流まで、あと3分と予測」
セルリアン兵士B「大筒砲(バズーカ)、発射体制に移行。」
セルリアン兵士C「了解。」
ハンター「…ん、何か来る」
通り過ぎた鉄機人を前にしてツシマムは考えた。
「オニ村を世へ明らかにするのは、宮様の命だ」
よって彼女は3機の後を密かに追った
オニ村の門に鉄機人が到達し、三機がピタリと停止した。
その内の3番機が、サーチを始め、バズーカを構える動作をし始めた。
セルリアン兵士C「レーダー索敵、多数のホモサピエンスの反応を確認。」
セルリアン兵士B「照準合わせ……マザーの意思に歯向かう反乱因子(イレギュラー)は抹消(デリート)する。」
ズドン!!
2番機から、オニ村に目掛けて弾が放たれた。
そして、凄まじい爆音が鳴り響いた
ハンター「ッ!?襲撃!」
彼はそう言い、マスクを展開し装備を回収しに住居に入った。
プテラ「おっ、なんだなんだ。」
セラ「今のは!?」
ニアラ「何?戦い!?」
村人C「な、なんだ今の音!?」
村人D「敵だ!!敵だ!!あの音は鉄機人だ!!」
静寂な朝を迎えたオニ村は瞬時に悲鳴と狂乱に塗り変わった。
ツシママムシは脇刀を抜き、2番機の頭上のコックピットめがけて木を飛び下りた
セルリアン兵士B「!?!?!?」
ツシママムシの攻撃が命中し、2番機は機能を停止した。
ハンター「ええい、敵はどこだ!」
住居から飛び出した彼は、爆発した方に向かって走り出した。
セルリアン兵士A「2番機……反応ロスト。」
セルリアン兵士C「襲撃対象……DNA検索……ツシママムシと判断……。」
ニアラは音のした方へ走り、セラはそれを追った。
ニアラ「おぉっ!おおきいっ!!!」
セラ「さっきの音の正体はこいつかしら…?」
ツシマムは銃撃を想定して、即座に壁となる木々の間を蛇行するように走り抜けた
レイン「装備品を取りに言ってこい!」
ジョークス「とりあえずボクが応戦しに行く!ソ号!おつかいだ!」
ソユーズ「了解、死なないように。」
セルリアン兵士A「対爬虫類戦闘プログラム"プランD"に変更。」
そう言うと、1番機は蛇行しながらマシンガンを放った
フォォォォォォォォン……
フォォォォォォォォン……
それと同時に、遥か上空から不思議な音が聞こえてくる。
レイン「ん・・・狐ちょっと待て」
ジョークス「なんか・・・上から・・・」
ニアラ「んじゃ!やっつけるよ!」
ニアラはそういうとツシママムシを追う鉄機人向かって大きく飛び上がった。
セルリアン兵士C「近接戦闘モード、起動。」
3番機はニアラに対して質量剣で応戦した。
ツシマムは最寄りの木の後ろに飛び込んで銃撃をかわし、脇刀を納刀して鎖鎌を懐から取り出した
セルリアン兵士A「敵機行動、予測。後退し射撃を開始する。」
1番機もツシママムシの動きを予測し、バックしながらマシンガンを撃ちつづけた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………
巨大な影が、ゆっくりと大きくなる。
ニアラ「っと、そっちね!」
それと同時にニアラは上空の音に気づいたが、目の前のことに集中し、槍で剣をいなした
ジョークス「あー・・・敵が、2種類だな・・・」
レイン「村人の人命救助を優先するか」
ニアラ「うーん空のも気になるなぁ…まぁセラ、そっちはお願いね!」
ニアラはそういうと鉄の体にキックした。
ハンター「…ん、影?」
ハンターは突如出来た影に違和感を覚え、足を止めた。
セルリアン兵士C「敵機、索敵、種族はウシ科………ニアラと合致……。対レイヨウ戦術にプラン変更。」
そういうと、3番機はビームライフルを撃ち始めた
ツシマムは木に隠れながら右手の分銅を回し始め、迎撃の準備をした。引き寄せてから分銅で牽制するつもりだ
プテラ「チィっ……ドローンが逃げたと聞いていたが、まさかあいつがお出ましするとはなっ…」
ニアラは発射前の不自然な動作で異変に気付き、間一髪のところでよけた。
ニアラ「危ないっ!……こわ…にしても硬っいなぁ」
そういいニアラはもう一度大きく飛び上がりキックをかました。
ハンター「なんだ、あのでかいのは…」
ジョークス「避難優先!!そこらの村人を避難させろ!どっか地下とかないの!?」
プテラ「あぁ……やつは私が別で探してた超大型セルリアンだよ。」
レイン「アレに撃たれて生きてたのか?」
プテラ「いや、あいつがドローンを無限に生み出せるんだ。」
ハンター「…どんな攻撃が効く?」
レイン「まァいいか。とりあえず人命救助だ。爆弾など投下されれば人はすぐに死ぬぞ」
セラ「テルル、避難に適した場所を教えてくれると避難誘導しやすくて助かるわ」
ジョークス「ハンター!地下はあるか!?」
テルル「ありがとう!セラちゃん!!」
(こんな時にボクが動けないなんて!!)
ハンター「すまない、俺にもわからない!」
テルル「古墳の中なら大丈夫だ!!あそこは守りがとても強い!!」
テルル「5号墳なら、収容できる石室がある!!」
ハンター「わかった!」
セラ「了解!」
急に空中で停止したキャトラは、穴からアンテナのような目を出し…
キャトラ「………!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ズギャギャギャギャギャギャドゴオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!
極太のビームを村に向かって照射し始めた
そういうとセラとハンターは市民の避難誘導へ向かった。
テルル「ボクは村人に被害が来ないように、襲ってくるヤツをやっつける!!みんなボクに!!」
ジョークス「あー!あー!やばー!」
ハンター「兎に角急ぐぞ!」
ドドドドドドドドドォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!
ビームがこちらに向かってくる
レイン「クソ・・・受け止められる奴は・・・居ないか・・・」
レインとジョークスはその場から撤退した
ニアラ「なに今の…すげぇ…!じゃなくって、まずはこいつを…!」
3番機は無感情に、全く疲れを見せないように、ひたすらビームライフルを撃ってきた。
セルリアン兵士C「…………。」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴォッ!!!!!!!!!!!
地面を抉り、ビームがさらに近づく
村人「な、なんだべありゃあ!?」
テルル「みんな!もう少しだ!もう少しで5号墳だ!!」
ニアラ「うおっ!?」
ニアラは避けようとしたが槍にビームライフル当たってしまい反動でぶっ飛び、体制を崩した。
ハンター「くっ…!間に合え…!」
セラ「あのビーム…はっ…テルルの方に…!?テルル!!」
テルル「みんな!この中っっ!!」
村人達が5号墳にすし詰めになるように入っていった。
ゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!
テルル「うわぁあぁあぁ!?」
ビームはテルルには当たらなかったが、爆風で吹き飛んだ。
ハンター「大丈夫か!?」
テルル「ギリギリなんとか……へへっ」
テルル「それより、ハンターさん、みんなは!?5号墳に避難出来たの!?」
ハンター「ああ。ちょうど全員避難出来た所だ」
キャトラ「…………………!!!」
ビームを撃ち終わったのか、空中で動きがなくなる
ハンター「…ビームが止んだか…」
ソユーズ「・・・何だ・・・この災害・・・」
ソ号が空を飛びながら装備を持ってきた時には未確認飛行物体により地上は更地になっていた
レイン「高空からのレーザー攻撃だ!火災どころの騒ぎじゃない・・・奴を仕留めなければ本土にも危険が及ぶ、本社に連絡もしておけ。」
ジョークス「クジャク!もう連絡はした!災害そのものだぞこれ!!」
テルル「よ、よかった………。」
セラ「空中のあいつ……被害が広がる前に倒さないとね…」
テルル「でも、どうやって!?あんな高いトコにいるんじゃ……。」
ソ号は持ち込んだ武装の中から迫撃砲を取り出した。
ソユーズ「カワセミでどうにか・・・」
バシュッ
擲弾筒から数マッハのロケット推進の鉄棒が飛び出す。
プテラ「やつはかなり硬いし、付属機のドローンも沢山備えている……せめて私の仲間さえいれば……通信装置、これはもう使えるんだったよな?」
テルル(くっ、みんなあるのに、飛び道具がボクには無いッッ!!)
(今すぐにでもあの空飛ぶセルリアンをぶっ飛ばしたいのにッッ………!!)
ジョークス「地上からはカワセミの直射とレーザーライフルしかないな・・」
ジュビィィィッ
ジョークスは最大出力で未確認飛行物体にレーザーを放つ
「奴は何をしている」
ツシマムは木の裏から見えないように分銅を回して待ち構えた。マムシである彼女はピット器官を用いて熱源を探知でき、地面の振動に加えて、優れた嗅覚で装薬が燃焼した匂いも嗅ぎつけていた。
1番機は弾が尽きたのか、カートリッジを交換し始めた。
セルリアン兵士A「リロード開始。」
ハンター(…動きが止まってるならチャンスだ。なら今のうちに…)
ハンターはゴーグルを展開し、無線を起動させた。
ハンター「K、少し頼みたいことがある」
K『どうしたんだい?ハンター』
ハンター「今ナカベチホーにて巨大セルリアンを発見した。しかし見たところ弱点がわからない。そっちで弱点を分析してくれるか?」
K『わかった!任せて!』
テルル「そう言えば、あの空飛ぶデカイの以外にも鉄機人ってヤツも攻めてきているんだった………。ボクがここに居ても足手まといっぽいから、そっちに行ってもいいかな!?」
セラ「あなた、名前は?」
セラはプテラに聞く。
ツシマムはそれを探知して右手で鎖分銅を回しながら1番機に走り寄った。彼女はある程度1番機に接近したところで左足目掛けて分銅を投げた。
セラ「もちろんよ」
ハンター「ああ、任せた」
その分銅は1番機の足に絡みついた
セルリアン兵士A「!?!?!?!」
鉄機人はツシマムの分銅に不覚をとったのか、見事に横転した。
プテラ「おいおい、自己紹介は一昨日しただろう?私はプテラノドン。君に綺麗な石をあげたのもプテラノドンだ。」
セラ「ごめんなさい、あの時すこし離席してたのよ。私はセラ。プテラ、ドローンって何かしら?」
テルル「わかった!ありがとう!ありがとう!!」
テルルはそう言うと、蒙ダッシュで鉄機人の居る所へ走っていった。
ニアラ「あっ、テルル!丁度いいところに!」
ニアラはビームライフルを避けながら言った。
ジョークス「なんか別の銃声するからあっちいっていい?」
レイン「飛べねェならそっち担当したほうがいいかもな」
ツシマムは鎖を手繰り寄せながら走り寄り、1番機の持っていたSMGを蹴り飛ばした
ジョークス「ういおっ。あ、魚。」
テルル「アイツらか!!村に向かって撃ったのは!?」
テルルは3番機に飛び蹴りをかました。
その時、3番機は吹っ飛ばされ、ビームライフルが手から離れ、地面に落ちた。
ー隠れ家
K「うおお、凄いでかそうだね…」
キノ「ところであなた達は、いつもこうしているのですか?」
K「うん!俺とハンターはこうしてるんだ!あいつが戦って、俺はそれの支援さ!」
そう言いKは、ハンターのゴーグルに映ったキャトラの弱点を分析し始めた。
プテラ「おいおい嘘だろ?はぁ、二度も説明するのは嫌なんだが。ドローンはセルリアンの一種、物を持ち運ぶんだ。そんで、あの上にいるでっかいのが親玉のキャトラ!」
ジョークス「魚は何してんの?」
セラ「毎度ありがとうね。なるほど…」
プテラ「もう忘れんじゃないぞ!その綺麗な石も無くしたらもうやらないからな!」
プテラノドンはほとんど治りかけの翼で飛び上がった
ニアラ「ナイスっ!鼓舞本気乱舞っ!」
ニアラはテルルと自分に攻撃力を上げるバフをかけ、槍で突いた。
ハンター「とにかく攻撃を当てる!」
そう言い、サンドスターランチャーに取り付けた杭をキャトラに放った。
セルリアン兵士C「駆動系大破……戦闘続行不能……不能……」
3番機の腹にスピアが直撃し、バチバチと火花を散らし、倒れた。
ツシマムは1番機のコクピットを踏みつぶして答えた
「言えぬ」
ジョークス「わかったわ!こいつら撃てばいいのね!サンクス!」
ジョークスは3番機にショットガンを掃射した
キャトラ「…………!!!!」
キャトラはRIoTの攻撃とハンターの攻撃を受けて空中でぐらぐらと揺れた
少し破片が落ちてくる
テルル「す、凄いや……もうやっつけちゃったんだ……。」
ツシマム「2機は俺が討った、残るは1機のみ」
ハンター「うおっ!」
ハンターは落ちてきた破片を避けた。
キャトラ「………………!!!!!!」
キャトラの様子が変わる
レイン「有効打ではない、続けて撃ち続けろ」
バァンッバァンッ
観測していたレインは対物ライフルを撃ち始める。
ソユーズ「Дa」
バシュッバシュッ
高射を続ける。
ハンター「…?動きが変わった…?だが…!」
続けてランチャーを放つ。
3番機の半球状のハッチからわずか10センチのヒト型セルリアンが脱出し、戦線から離脱し、逃げようとしていた。
ジョークス「おい、まてよ♪」
ひょいっ
キャトラ「……………!!!!!!!!」
キャトラのアンテナが格納され、内部から無数のドローンたちが飛び出した!
ドローン「「「「「…………!!!」」」」」バラバラバラバラバラ…
セラ「…ふふっ…いい足場が出てきたわね」
ハンター「あんなに沢山のカトンボが…!」
キャトラ「……………!!!!」
同時に、三日月型の斬撃弾が全方向に発射され始めた
ズババババババババッ
ジョークスはセルリアンを掴んでどこからともなく取り出したガラスケースに突っ込んだ
レイン「ザコが増えた・・・民間に被害が出ないように掃討しろ。」
セラ「おっと…危ないわね」
槍を回して攻撃をやり過ごすとセラは大きく飛び上がり、上から踏むようにドローンをキックした。
セルリアン兵士C「お前達、イレギュラーの戦闘データは……サレタ……マザーに」
ズバババババババババババッ!!!!!!!!!!
雨のように斬撃弾がばらまかれる
ハンター「なんだあの斬撃!」
彼は飛んできた斬撃を避け、刀とサーベルを取り出し近づいてきたドローンを次々と切り刻んだ。
セラ「まだ飛んでくるのっ!?」
セラは空中で槍を回して受けるも次の足場となるドローンを踏めず地面に着地した。
ジョークス「おう!わかった!お前のデータもボクらが解体して解析してやるよ♡」
ニアラ「なかなか怖いことするね…」
ジョークスはセルリアンの中身をドコゾにしまって振り返ると
ジョークス「え、めっちゃ弾幕
ズバァッ
キャトラ「……………!!!!」
アブダクトも召喚し始める
そして、斬撃弾の発射は尚も止まらない
ジョークス「ぐぇ」
テルル「アイツらよりマシさ。」
ジョークスは斬撃に晒され負傷した。
ツシマム「機械化兵は、見た限りこれで全てだ。キツネ」
ハンター「クソッ!次から次へとッ!キリがないッ!」ズバッズバッ
ツシマム「何奴かが空に……」
ニアラ「ジョークス!?」
ニアラは左腕で斬撃を受けるとジョークスに近づいた
ジョークス「よう見知らぬ生き物、なんの用だコラ」
ニアラ「私はニアラ。大丈夫!?」
キャトラ「……………!!!!」
空中でキャトラが回転し始める
斬撃弾を止めることはないようだが、回転速度は増していく……
ジョークス「何の用だって聞いてん・・・あ、やば」
ツシマム「お前たち、隠れるぞ!」
ジョークスは負傷を物ともせずに四つん這いで地形の稜線に隠れた
セラ「このっ…!」
セラは斬撃をくらいながらキャトラに向かって槍を投げた。
テルルは鉄機人の残骸を見て閃いた。
テルル(そうだ!コイツらの武器、使えるかもしれない!!)
そう思ったテルルは鉄機人のビームライフルを手にとって
テルル「ツシマムさん、ニアラちゃん、コイツらの武器、使ってもいいかな?」
ハンター「何だ…?まさかっ!」
ニアラ「いいんじゃない?」
キャトラ「……………!!!!」
ぐるぐるぐるぐる…………と大回転しながら、風を作り出す、そしてそれは部下まで巻き込み、破壊しながら巨大な竜巻へと変貌しようとしていた
レイン「退避、被弾しないことを最優先で戦闘を・・・」
ツシマムはジョークスの隣から言った
「勝手にしろ!」
ソユーズ「Nyet」
テルル「ありがとう!おサムライさん!ニアラちゃん!ボク、ハンターさんやレインさん、プテラの所へいかなくちゃ!」
そう言って一目散に走っていった。
ニアラ「ジョークスは、ここで待っててね。ちょっとみんなを鼓舞してくる。鼓舞本気乱舞!」そういい、ニアラはキャトラの方にいる皆へ攻撃力が上がるバフをかけた。
レイン「退避退避!」
ハンター「ヤツめ…!何と言う技を…!」
ハンターは素早くその場から離れた。
ソユーズ「大災害だ・・・」
セラ「ニアラありがとう…だけど…」
ジョークス「あいつタツマキに突っ込んでった・・・死にたいのかな・・・?」
竜巻は民家をバラバラに破壊し、ドローンや家の残骸や破片を四方八方に散らかし、さらに大回転しつつも全方向に斬撃弾を発射しまくっている
ツシマム「機械化兵の武器を鹵獲すれば……」
「キツネ、俺は2番機の大砲を取りに戻る。射撃はお前たちの方が手練れだ」
ツシマムは2番機のいたところへ身をかがめながら向かって行った
ハンター「何てメチャクチャなんだあのデカブツ!」
ジョークス「おーい!魚ぁ!アレ相手に有効打はムリだって!なんかイケてる方法を考えるしかねえだろ!」
ニアラ「みんなの攻撃を強くしたけど…無理かなぁ…?」
そして、テルルは鹵獲した鉄機人の飛び道具を抱えて再びハンターやプテラの居るところに走っていく途中にあることを思い付いた
テルル(プテラは怒ったとき、ボクに弩弓みたいな武器を突きつけてたよな……プテラはこういう武器の使い方を知ってるハズ!!)
キャトラは破片と竜巻を纏い、何者の攻撃も通さないように見える
そして尚も斬撃弾を止めない。
ズバババババババババババッ!!!!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォッ!!!!!!!!
ジョークス「あー、巻き込まれた奴ら全員死んだなこれ」
しばらくしてツシマムがバズーカ(?)を抱えて戻ってきた
ツシマム「有事にはこれ以外の策がない」
ツシマム「あの竜巻をかいくぐる術はあるか」
レイン[[狐、生きてるか]]
ジョークス[[運良くな。]]
レイン[[それは残念だクソ、そのまま適当に生存しとけ]]
ジョークス[[お前もそのまま適当に生存しとけよ~]]
ジョークス「ないです」
レイン[[被害状況は]]
ジョークス[[甚大。村は全壊、竜巻の内側はじゅっちゅーはっく全滅だ]]
ツシマム「止むのを待つ他ないか」
ジョークス「キズができるんならいつか殺せるっしょ、プレデターで言ってた。」
地形の影でジョークスは止血を完了した
セラ「斬撃を受け流すのも疲れるわねっ…!」
その時、ハンターとプテラ達の居る所にテルルが何か叫んで走ってきた。
テルル「おーーーーい!!プテラさーーーん!!」
ハンター「テルル!」
プテラ「…なんだよ有事に、私は忙しいんだ、殺し合いは後ででもいいだろ?」
テルル「君はッッ!!恐竜ってヤツにッッ!!大切なものを奪われたんだよねッッ!!鳥ってヤツに家族を奪われたんだよねッッ!!」
「ボクも!!誰かに大切なモノを壊されたら!!ソイツらを憎むと思うッッ!!!」
テルル「ボクはソイツラにそっくりでッッ!!憎くてたまらないのかもしれないッッ!!!」
「でも!!今はソイツを倒さなきゃいけないから協力してほしいッッ!!君は見せたよねッッ!!あのとき飛び道具をッッ!!」
テルルはプテラに向かって喉がカラカラになりそうなほど、叫んで伝えようとしていた。
レイン「おい!今語ってる暇ねェだろォが!」
レイン「要件は!」
テルル「飛び道具!!奪ってきた敵の飛び道具!!光線の出る飛び道具を!!プテラに渡したいんだっ!!」
レイン「マニュアルは!」
テルル「解らない!!鉄機人のものだから!!」
プテラ「…それを、私に?」
テルル「受け取ってくれッッ!!」
テルルはプテラに向かって鉄機人のビームライフルを投げた
プテラ「………これを、私に。か。」
ふふっと不敵に笑う
刹那、ハンターに無線が入ってきた。
K『ハンター!分析終わったよ!』
ハンター「Kか!どうだ!?」
K『今竜巻になってて凄い状態みたいだけど、さっきまでのを見てみたら、中央にある触手だけ温度が違うんだ!きっとそこが弱点かも!』
ハンター「成る程…わかった!」
そう言い、彼は無線を切った。
ハンター「よし…!弱点がわかったぞ…!」
テルル「あ、ありがとうプテラ………へへっ」
テルルは自分のプラズムをビームライフルに込めたらしく、力尽きて笑顔で倒れた
ハンター「大丈夫か!?」
テルル「やるだけ、やったさ。今のボクの精一杯をね。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
プテラ「……へっ」
倒れたのを見ると、プテラは即座にビームライフルから手を離した。
プテラ「…馬鹿野郎。わたしには愛銃のほうが使いやすさはよーくわかってるんだ。こんなもんいらん。」
「だがなぁ!!!私がこれほどまでに怒ってるのはなぜかわかるか!?!?貴様のような恐竜風情がァ!!!私に生ぬるい手解きを何も知らずにやらかしたことだっ!!!!!!!!!おまえには私のこの気持ちが一生わからんだろうがなっ!!!」
そういうと、ビームライフルを弓銃で即座に粉々に破壊した
レイン「フン、プライドを傷つけられたらこうだ。蛮族なのはどちらも変わらんな」
ソユーズ「まあ主義思想に反する相手に施しなどは不要かもしれん」
レイン「アレを解析すれば良いデータになっていたかもしれんが・・・」
プテラ「貴様らの馬鹿騒ぎは見飽きた。こちらも自軍で戦わせてもらう。」
「コード01幹部出動要請!スクランブルだ!!!!」
少し経過し、遥か遠くから黒い影が5体飛んでくる
レイン「む、この暴風雨の中で・・・」
ハンター「あの黒い影は…」
プテラ「アエロ、ランカ、竜巻を相殺しろ。同時に内部に熱砂を詰めて暴走させるんだ」
アエロ「合点〜」
ランカ「ラジャ…」
2体が竜巻のそのさらに上空まで飛び上がり、竜巻と熱砂をばら撒く
途端にキャトラの竜巻の威力が弱まっていく…
ハンター「竜巻が消えてく…」
セラ「すごい…」
レイン「この機を逃すな!総員攻撃しろ!」
プテラ「こういう仕事は死ぬほどやってるんだ、ハンターになりたかったら私の作戦をよーく見ておくんだな。お嬢ちゃん」
ハンター「ところでだが、ヤツの弱点がわかった!」
ジョークス「マ?ソースは?」
テルル(す、凄いや………。)
テルルは半開きの目で、霞んだ景色を見ながらそう思っていた。
プテラ「ハツェグ!残骸とドローンを破壊しろ!ランカは妨害継続!アエロは上昇気流を作れ!全員で弱点の触手に向かう!!!」
ハンター「相棒からだ。信頼できる」
彼は中央の触手を指差し、
ハンター「あの触手が弱点だ。他の場所と温度が違う」
ツシマム「キツネ、今なら撃ち込めるやもしれぬ」
ソユーズ「物理攻撃が効くなら質量弾も効くはずだ。重力加速。」
ソユーズは残骸から大岩を複数持ち上げ、未確認飛行物体の触手に向けて飛ばした
ジョークス「相棒はセルリアンなのかな?とりあえずおけ、狙うだけ狙ってみるか」
ハンター「わかった!よし、いくぞ!」
サンドスターランチャーの連射を触手に向けて撃つ。
ジョークス「・・・なにこれえ、見たこともない独自設計・・・」
アラン「アブダクト、15体ヲ確認、ドローン53体で触手ヲ覆ッテ防御シヨウトシテイルゾ!!!」
ハツェグ「おいアルコ!カタパルト準備しとけ!俺は肉壁解体をしにいくぜ!!」
アルコ「了解…」
セラ「ニアラ!私たちはドローン処理に強力しましょう!」
ニアラ「了解~っ!鼓舞本気乱舞っ!」
ニアラはさっき合流したばかりのプテラの仲間たちにバフをかけ、次々とドローンを落としていく
ジョークス「翼竜共に加勢する!とりあえず撃て撃て!」
バァンッ
プテラ「お、味方強化か?ふふ……じゃあ私も。」パチン
途端に、全員のパワーがぐんと上昇する
見知らぬ砲は黒いかがやきを持って着弾し、激しく加熱した。セルリアンの触手周辺の小型を破壊する。
テルル(あー、強さが……次元がみんな段違いだ……村の外の世界は……こんなにもスゴい人達で溢れかえっているのか……。)
レイン「質量弾だ!カノン砲で弾幕を張り続けろ!」
レインは152mmカノンを”取り出し”、発砲する。
バォッ
ハツェグ「はははははは!!!!撃て撃て撃て撃てェ!!!!!」
上昇気流に乗り、ハツェグが連続エネルギー弾で他のドローンとアブダクトも破壊する
アルコ「チャージ42%、まだかかるから踏ん張ってちょうだい」
ハツェグ「おうよっ、ぐえっ!おい!砂が口に入るぞ!少し緩めろ!!!!」
ランカ「いや……緩めると竜巻と斬撃弾が始まるから…」
ハンター「おおおッ!」
彼は2丁とも素早くリロードを行うと同時に杭を取り付け、それをアブダクトに放った後、すかさずドローンにランチャーを撃った。
セラ「ふふっ…空中散歩って以外に楽しいのね」
セラはドローンを足場に踏みつけながら次々と落としていく。
ハツェグ「おいごらそこの!空中で遊ぶな!撃つぞ!!!」
そういうと本当にハツェグはエネルギー弾を撃つ
ー隠れ家
K達はモニターで戦いを見ていた。
K「ハンターも皆も凄い…!まるでアベンジャーズみたいだ!」
キノ「みんな…頑張ってください…!」
セラ「えっ!?」
セラ落下する。
ニアラ「ちょ、ちょっと!」
それをニアラはキャッチする。
ニアラ「ちょっと!なにするのさ!」
レイン「翼竜!あのデカブツを仕留める打開策は持ってきたか!?」
ハツェグ「黙れ!!!」
ドドドドンッ
ニアラとセラに脅しで弾丸をあたらない程度に何発か打ち込む
プテラ「アルコのカタパルトから発射するレールガンで弱点は貫通できる。あとは落ちたところを適当に解体すりゃしまいだ。」
ニアラ「セラはしっかりとセルリアンを打ち落としてたのに…」
ニアラは木の陰にセラをそっと起き、サンドスターの薬を飲ませた。
レイン「レイルガンか、いいだろう。時間稼ぎは手伝える。」
バォッ
レインは巨大な火砲を出し入れしながらつるべ撃ちし続ける。
ハツェグ「手順があるんだよ手順が!」
ジョークス「おーいそこの槍女~、飛べるフレンズが飛べるセルリアンを仕留めようとしてくれてるんだ、ザコはじっとしてな~。・・・あ?」
ニアラ「あ、あぁなるほど…ごめんね…だからってセラを撃つことはないんじゃないかな…私と戦いたいってんならいいけど」
アルコ「72%、ハツェグ、喧嘩はやめなさい。」
ハツェグ「ふん、弱者が俺様の仕事場に入ってくるからだよ。」
セラ「ごめんなさいね…でしゃばっちゃったわ…」
ジョークス「おまえあんときボクがおならひっかけた洗脳女じゃん!鼻と後頭部大丈夫ぅ?」
ハツェグ「文句あるなら俺様を殺せるくらいの力をもって殴ってこい、わかったか?」
セラ「洗脳…あぁ…あの時の……ってそんなことしてたの!?!?」
ハツェグ「洗脳?雑魚じゃん」
鼻で笑う
ジョークス「記憶が混濁してらぁ、もうちょっとビョーインひっかけてこいや♪」
ニアラ「おまえ、この戦いが終わったら覚悟しとけよ」
ジョークス「なに?新種の動物さんかな?
ハツェグ「え、どっち?狐?この俺?」
ニアラ「二人とも」
アルコ「83%!何やってんのあんたたち!?」
ハンター「とにかくヤツを討つことが最重要だ!」
ツシマム「エボシに手を上げたセラか」
ジョークス「プハハ!怒られてやんの!地上班はおとなしくしてろ!!」
ランカ「ぐうっ!だめだ!エネルギーが足りない!!キャトラが動き出す!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ジョークスはカワセミ砲を天高く撃ち始めた。
ハツェグ「なにやってんだあのバカ!!!」
ハンター「クッ…!」
ニアラ「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉっと頭に来たかな。」ニアラはハツェグとジョークス以外に鼓舞本気乱舞を重ねがけした
キャトラ「………………!!!!!!」
ドローンの数がどっと増える
それと同時に、斬撃弾が発射され始めた
ジョークス「またか!」
ジョークスは素早くその場から逃げ出す
ニアラ「セラはここにいてねっ!」
ニアラは槍を回して斬撃を防ぐ。
ツシマムはその場に伏せ、地形の起伏に身を隠した
ハンター「…クソッ!」
斬撃を避けながらリロードし、ドローンを撃つ。
レイン「レイルガンが撃てるまでザコを掃除しろ!
火砲を捨てて重機関銃を手にし、掃討を行う。
ハツェグ「クッソ!火力が足りねぇ!!!」ババババババッ
プテラ「早くしろ!また竜巻が始まるぞっ!!!!」ドンッドンッ
ニアラ「っ…!あぁっ!もうっ!鼓舞本気乱舞!」
ニアラはハツェグたちに攻撃力を上げるバフをかけた。
ハツェグ「ふ、中々やるじゃねえか。」
ハツェグは気流に乗り、キャトラの周りをまわりながら全方向に纏わりついたドローンを無駄ひとつなく落としていく
アルコ「90%!そろそろいけます!」
プテラ「総員!照準から離れろ!巻き込まれるぞ!!!」
ハンター「了解!」
レイン「伏せ!」
ソユーズ「わふっ」シュッ
ジョークス「わふwwww」シュッ
プテラ「……ん、まて、キャトラの様子が変だ」
キャトラはドローンを出すのをやめ、その場に留まる。
触手を大きく伸ばし、光を溜めている。
プテラ「あれは…………まさかっ!?」
アルコ「92%!あれは…何か攻撃?」
プテラ「前に教えたろ!ビームだよ!もっとも危険なお前を潰して他の奴らをゆっくり倒すつもりなんだよ!!」
アルコ「そんな……どうにかして止められないんですか?」
プテラ「目の中央部の射出部を攻撃できれば少しは時間稼ぎになるかもしれん。」
アラン「ハツェグハクタクタダ。他ノ銃使イガ必要ニナル…」
レイン「銃か、わたくしがこの中ではマシなほうだが・・」
プテラ「…頼めるか。」
レイン「話せ。」
プテラ「あの目玉の真ん中ちょうどが破壊光線を増幅して発射できる。奴も最大威力を出すために力をあそこに溜めるだろう。その一瞬チャンス一発であの目ん玉ど真ん中に攻撃を当てられれば一瞬攻撃が止まる。そのうちにレールガンでドカンだ。」
プテラ「報酬は後日私の本部からたんまり持って来させる。」
レイン「APFSDSなら弾速が速い、タイミングを合わせられる。」
ソユーズ「私が重力加速で弾道補正もしよう。」
プテラ「助かる。我々の退治すべきなセルリアンの討伐を手伝わせてしまってすまないな。」
レインはM1戦車の砲塔を”取り出し”て、照準器を覗いた。
レイン「これなら高度が1キロあっても届く。合図で撃つ。」
ソユーズ「ブレは抑える。よく狙えよ同志」
アルコ「98%…お願いします。」
ハンター(神よ…彼女らに力を…!)
キャトラ「………………!!!!!!!!」
目玉の輝きが最高潮に達する
レイン「てっ」
バォッ
激しい爆豪を起こした火砲が巨大な弾頭を発射、
弾頭は割れて中から翼の生えた超音速の重金属塊が飛び出し、未確認飛行物体の中心へ加速しながら突っ込む。
キャトラ「……!?!?!?!?!?」
キャトラの攻撃準備動作が止まる
アルコ「今だっ!!!」
バゥゥオォォォォォォンッ
まるで光線のようにエネルギーが射出され、キャトラの触手を貫く!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………
ズドドドドドォォォォォォォン……………
キャトラが、墜落していく。
ツシマム「奴が落ちていく」
ハンター「…決まった…!」
プテラ「村の真ん中に落ちていくぞ…」
ハツェグ「みんな避難したんだよな?」
アラン「休メハツェグ、ランカ、口ヲ閉ジロ。」
ランカ「………」
ジョークス「ステゴサウルスは誰が運んだのん?」
レイン「それと、完全に破壊するにはどうする・・・」
ソユーズ「ソルハック・・・いや、もみ消し料金が・・」
ジョークス「でもでも!料金はプテラノドンさんが持ってくれるらしいですよ!やりましたね!」
ツシマムはその場でかがみながら鎖鎌の刃を折りたたんでしまった。次に太刀を抜いて刀身を逆手で持って支え、その切先何寸かに鋭い犬歯の毒腺を押し当て、自身の毒を塗った。
「仕留めねば多くが死ぬ。宮様の勅書も無駄になる」
テルル「…………。」
テルルは既に気を失って倒れていた。
ハンター「…テルル」
彼はテルルに近づいた。
アエロ「恐竜が寝てますぜボス、殺しますか?」
プテラ「ふん……」
ハンター「…殺すのだけはやめろ」
ゴーグル越しのハンターの目が鋭くなる。
レイン「後は破壊工作で充分だ。」
ソユーズ「そう。」
プテラ「心配するな。殺すならお前たちのいない場所でやる。」
アエロ「大丈夫っすよ、ボスが本気でセルリアン以外を殺してるとこ見たことないっすから!」
プテラ「……貴様の見てないとこで、何してるかわからんけどな。」
アエロ「おーこわっ……」
ツシマムが後ろから歩み寄った
「化け物の急所は何処だ」
ハンター「…ふん」
プテラ「触手の伸びてた穴があるだろ、そこから内部に入ってコアを引きちぎればおしまいだ。」
RIoTは未確認飛行物体の爆破処理作業を始めた。
レイン「コアを破壊すればさすがのデカブツもおさらばだろう」
ジョークス「おい魚、こっからはウチの仕事だからサ」
ツシマム「とどめはお前たちに任せる」
ハンター「これが終わったらティマにもよろしく言ってくれ」
RIoTの派手な爆破により未確認飛行物体は解体され、
オニ村でのセルリアンとの戦いは終わった。
だがオニ村の被害は甚大であった。
エピローグに続く
ジョークス「おつまんとるこ~」
一行はキャトラを何とか撃破することに成功した………。
しかし、そんな先、戦いで意識を失ったテルルと村人達を迎えてくれたものは、見渡す限りの瓦礫の山々であった。
一行はキャトラを何とか撃破することに成功した………。
しかし、そんな先、戦いで意識を失ったテルルと村人達を迎えてくれたものは、見渡す限りの瓦礫の山々であった。
そして、その変わり果てた村を見た村人達は、唖然として喚くものも居た。
村人A「な……なんてこった……オラ達の村が………オラ達の村が地獄じゃあ!!」
村人B「どうするのよ………これ?」
もう一方では、別の意見も飛び交っていた。
村人C「バカ共っ!死人が出ず、みんな助かっただけでも全然マシだろうがい!!」
村人D「そうだそうだ!あのフレンズさん達が命張ってくれなかったら、この程度では済まなかったんだぞ!!ピーピーわめき散らす前にやることがあんだろ!?見ろよ!テルルの奴を!!」
村人達の前で、テルルはひたすら瓦礫の山を撤去することに専念していた。
「黙っていたって何も変わらない、行動を起こさなければ前進はない。」
そう思いながら
「おい」
ツシママムシは後ろからテルルに歩み寄り、尋ねた。
「宮様への、返事を問わねばならぬ」
「村を世へ明らかにするか」
テルル「うん……。」
テルルはうつ向きながら言った。
ツシマム「村長はどこだ」
村長「ワシに用かの?」
ツシママムシの声に反応し、話しかけてきた
ツシマムは振り返って答えた
「"村を世へ明らかにする"宮様の命、お主は如何する」
村長「あぁ、構わぬ。」
村長は結論のみ答えた。
テルル「いいの?!村長さん……。何もかも無くなったのに?」
村長「何もかも無くなったのなら、むしろ気が楽よ。後ろめたさも無くなったのだからな。」
ツシマム「ならば、その証が要る」
村長は懐から勅言の紙を出し。サインをした。
村長「御覧の通り、セルリアンによって村は御覧の有り様じゃが、よいものか?」
ツシマム「”パークは一つの家族のようにあるべき”宮様はそう記し給われた」
「村の様がどうあるべきかは示しなさっておらぬ」
テルル「その考えは、素敵だと思うよサムライさん。じゃあ、ボクは瓦礫の撤去に勤しむよ。まだ、ボクの戦いは続いてるからね」
そう、ツシママムシに告げると、テルルは再び瓦礫の撤去作業に向かった。
村人A「おお、来てくれたか!てかおんめぇ、すげぇな。なして、この状況でも絶望しないんだ?」
テルル「元の生活を一日でも早く取り戻す為だよ。オニ村が消えて無くなるなんて、ボクは嫌だ。」
村人D「その通りだ!今出来ることをするっきゃねえわな。」
ジョークス「ほーん、精力的なこって。みんなでセントラルだかに移住しちゃいかんのん?」
ハンター「ジョークス」
レイン「得体の知れねェセルリアンも湧いた事だしな、人命が欲しければ考えておくことだ」
ジョークス「はいはーい?」
ハンター「口がすぎる。この村に対するテルルや住民達の思いを無駄にしては駄目だ」
ジョークス「思い?重いねー。明日のメシはどっから出すん?教えてくれよ聡明な人間さん方よ。」
テルルはそれを横から聞いていたが、それをグッと堪えていた。
ジョークス「はー、地中から井戸水と食パンでも湧いてくればいいのになw」
テルル「…………。」
テルル「ハンターさん、相手の言うことも一理ある。」
ハンター「テルル…」
テルル「わめいて、駄々こねても空から食事は降ってこない。だから、この後ヨモギかトチの実、ドングリでも探しに出る。」
テルルは被害のなかった森を指差して語った。
ハンター「…」
ハンターは何も言えなかった。
ソユーズ「森、謎の機械セルリアンが出たところか、気をつけるといい。」
テルル「ありがとうね。RIoTさん。ボク達、ご飯はなんとか出来るから。」
縄文チック生き方をしてるテルル君にとっては慌てる事でもなかったようである。
プテラ「おお、すっかり哀れな姿になりおって……」
テルルの目の前にプテラがばさばさとわざとらしく着地する
しかし、テルルは笑顔で答えた。
テルル「ホント……その通りだよ。でも、お姉ちゃんには感謝してるよ。村人に死人が出なかったからね。」
プテラ「我々は仕事をしたまでだ。」
翼をばさっとする
ジョークス「あ、翼竜。キンちょうだい金金金」
ずけずけと会話に割り込む
テルル「プテラノドン、君はいつか、いつかボクを殺しに来るんだよね?」
セラ「ジョークス?」
セラはジョークスの肩を恐ろしい笑顔でそっとつかむ。
ジョークス「お!オナラちゃんだ!」
プテラ「我々の領地に入らなかったら、何もしないさ。」
ジョークス「なんの用?仕事なら間に合ってるんで」
セラ「…私は心が広いわ。」
セラはそう自分に言い聞かせる。セラのジョークスの肩を掴む力がつよくなる。
ハンター「ジョークス、彼女に従うんだ」
テルル「君の住んでる場所がわかんないから、何処かで会っちゃうかもね。でも、その時は今よりずっとずっと強くなって現れるよ。」
セラ「…他人が会話中っていうの解るでしょ?私欲だけで動かず、回りのことを考えて行動しましょうね?」
プテラ「ほう……、では、我々の領地を先に教えておこうか?」
テルル「わかった。教えて」
プテラノドンはそういうと紙を取り出し、簡単な地図をかきはじめる
プテラ「この海域と、ここのエリアがわかるか、ここをずっと行った先の大きな島が我々の領地だ。ここに来たら、お前を全力で叩きのめす。いいな、来るんじゃないぞ。」
ジョークス「しよく?仕事でちゃんと契約してんですけどー、オナラちゃんは頭の後遺症大丈夫ですか?翼竜が金ださなきゃ不履行なんですが?」
プテラ「ああお嬢ちゃん、お仕事の話は話でちゃんとこの人と話すから。お嬢ちゃんはあそこの翼竜さん達に遊んできてもらいなさい」
ジョークス「やーいやーい!せいぜいキツネにくっさいのかまされてろー!それボクだったわwwww」
ハツェグ「調整、点検中だけど、俺たちの武器で遊んでもいいぞ〜」
ランカ「砂出しすぎた…」
テルル「そうか、覚えておくよ……。でもボクからも言わせてくれ、流れ着いたり、やむ得ない事情があって来てしまうかもしれない。でも、その時は生きるために君に抵抗するよ。まず、そうなりたくないけどね。」
テルルはバカ真面目な顔をしてプテラに語った
プテラ「ふん……」
テルル「最後に言わせてくれ
、プテラノドン、君は紛れもなく"タケル"だ。」
テルルはプテラノドンに古代日本の猛者の称号である"タケル"の名前をプレゼントした。
プテラ「タケルだかカクルだかなんだかしらんが……二度とその面を見せるんじゃないぞ。」
「お前ら!武器の調整が済んだらとっとと退却するぞ!」
「「「はっ」」」
その時、遠くからどこからともなく村人達からテルルを呼ぶ声が聞こえた。
村人A「おーーーーーい!テルルーーーッッ!!どえれぇモンが出たべ!!どえれぇモンが出てきたっぺーーーーっ!!」
セラ「私が言いたいのは、あn「セラ!薬ちょうだい!」
セラ「……ニアラ………はい…」
セラはニアラにサンドスターの薬を1錠渡すと疲れたような顔で木に凭れかかった。
テルル「ん?向こうが騒がしいな。何があったんだろ?」
ハンター「とにかく確認しに行った方がいいだろう」
テルル「さっきのセルリアンが太い光線撃って、地面がえぐられた場所だ。」
ニアラ「おい!そこの……鳥!!」
ニアラはハツェグに向かって声をかけた。
ジョークス「なんだオナラちゃんよお、ニオイが癖になっちゃった???おならプレイと仕事と裁判ならいくらでも受け付けてやるからヨ、コピーキャット弁護士事務所にご連絡頂くか今ここでハッキリ言いな!」
プテラ「翼竜は鳥じゃねええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!」
ハツェグ「ちょ、ボス!落ち着いて!!な、なんだぃそこの!!なにかようか!?」
プテラ「あああああああああ!!!!!!!」ドギュンドギュンドギュンッ
セラ「…あとその呼び方やめてもらえるかしら…」
ニアラ「おぉっ!?」
プテラやセラ、ジョークスがガヤガヤと会話してるのをよそに、テルルは村人の声のする所へ向かった。
テルル「おじさん!何が出てきた…………んん!?!?」
テルルはそれを見て目を丸くした。
村人A「大量の……金……財宝だべ………。」
ニアラ「そ、それであのお前の戦い、良かった。だけどセラを撃ったのとこれとは別。セラに謝れ!」
巨大なセルリアンが撃った事で、これまで長い間、気付かずに眠っていた古の莫大な宝が姿を現した。
ハンター「こいつは…!」
ジョークス「アナルホドー!お前らデキてんのかぁ。それで、オナラちゃんはなんの御用ですかお答えください〜」
村長「まさか、ワシらの村は古墳の上にあったのか?」
村人C「まさに奇跡だ………。」
ハツェグ「ふふ……じゃあ、もっと強くなって俺様を殴りに来い。相手になってやるぜ。」
ハツェグは胸を右腕でどしんと叩いた
テルル「おーい!セラちゃん!ニアラちゃん!!」
テルルは二人を遠くから呼んだ
セラ「……疲れたわ…すこし……休ませて…」
ニアラ「ん?テルル?」
テルル「喧嘩は後後!宝の山が出たんだ!!」
セラニアラ「「えっ!?」」
テルル「コレがあれば、村を一気に建て直せそう!!」
ジョークス「おい!逃げんな!ふっかけて汚ねえ手でスーツに触りやがってよ!要件を話せや!」
セラ「……あなたにも汚いと思うことがあるのね」
ニアラ「おおっ!!やったね!!!」
ジョークス「お前の代名詞じゃコラ、要件話せ要件要件要件!」
ニアラ「あとセラ、サンドスターの薬のもう?」
ニアラ「今はちょっと待ってて、セラが不安定だから…」
そういい、ニアラはセラにサンドスターの薬を2錠飲ませる
テルル(お天道様!ありがとうございます!)
この宝の山は、住宅から水田村の全てが壊されても絶望にうちひしがれない心の強さに天が答えたものだったのかもしれない。
ジョークス「ほわー、お宝ざっくざくらしいぜ」
プテラ「あんなんで村が直るのか、外の価値基準はわからん…」
ジョークス「金は導線になるって言ったろ?実は銅よりも電気がよく通るんだぜ〜」
村人A「とりあえず、よそ者に見てもらうより、エビス村ん所へこれ全部持ってって見てもらおうかね。あっちならツテもあるかもしれんからな。」
テルル「解った。みんなで協力して運ぼうか。」
村人B「あそこなら隣町だからね。」
ハンター「俺も協力させてもらう」
ジョークス「よそものwwウチ、鑑定士いるけど???www」
テルル「鑑定士?鑑定っていってもお高いんでしょ?」
ジョークス「バーカ、鑑定が高かったら客が来ねえだろ!」
ソユーズ「商売や企業の概念が身についてないのだろう、放っておけ。」
ジョークス「わふ」
村人C「いやぁ、すまんねぇ。RIoTの方々。気持ちだけは受け取っておくよ。」
村人D「うちら、生活かかってるモンで時間かけても安全な方法でやりてぇんだ。許してくんな。」
レイン「鑑定と復興が済んだら救命の感謝料、未確認のセルリアンの掃討感謝料を請求する。10年で100万ドル相当でいい。」
村長「100万ドル、すなわち一億円か………。」
ジョークス「お金の概念はあるんだね、空輸送料はこっちで持ってやるからさ、まとまった量の貴金属で頼むわ!」
テルル(宝が見つかった瞬間、なんで急に鑑定とか感謝料の話をしたんだろう?)
ハンター(さすが金の亡者…)
テルル「ねぇ、村長。」
村長「おぉ、テルル。どうした?」
テルル「そのお話って、前に言ってたっけ?」
村長「いや、宝が見つかった瞬間、声をかけられたのじゃが。」
「でも、支払うのも、長期的に見れば安泰になるかもしれんの。」
村長「のう、RIoTのあんちゃん達、」
ジョークス「あ〜?」
ジョークス「金くれるん?金くれないのん?」
村長「討伐感謝料と、救命の感謝料、そこの金から額の分だけ持っていくことはできんか?」
テルル「そ、村長!?」
村長「先を見据えてじゃよ。」
ジョークス「どうしたステゴサウルス、払いたくないなら払わなくてもいいんだぜ?」
テルル「いや、払うよ。お世話になったのは本当だし、実際に倒してくれたんだし。」
村人D「残りがどん位になるかは知らねえけどよ、後先のこと考えたらそっちの方が良さそうだわな。」
ジョークス「アトサキねぇ、君たち今後ビジネスとかやんの?」
村人B「そうねぇ、畑を広く耕して、農作物とか」
テルル「セルリアン退治のツテを各地から得るとか」
ジョークス「内政じゃねえよ!」
村人C「貿易も含めてだよ。」
ジョークス「わかるか?ウチが貿易のサービス安くしてやろうかっていうはーなーしー」
テルル「それは、オニ村だけじゃなくってレビルビ達の居るエビス村にも話しといてよ」
「海は、あっちの方が詳しいからさ。」
ジョークス「あー?ビリビリってなんだー?」
テルル「"レビルビ"ね、レビアタン・メルビレイってクジラのフレンズで、ボクの友達なんだ。」
ジョークス「クジラか、んでお友達がなにか?貴金属をワンサカ運べちゃったりするわけ?」
テルル(すごい食ってかかってくるなあ………。)
「まぁ、そんな所だよ。パークの海域で安全な貿易をする海域を確保するのが目的みたいなんだ。」
ジョークス「ほーん、たしかにフレンズ一人で済むなら護衛が安くなる・・・」
テルル「もう一人居るよ!バシロサウルス・イシスのゼーグが!」
ジョークス「それで、何貿易するのん?金銀だって無限じゃないぜ?」
ジョークス「バシロサウルス?って何?」
村長「割り込みすまんの、若いの。」
「村人同士で話し合った結果、まず、100万ドル分は支払う。貿易云々はそうじゃな。余裕が出来てからにしたいのう?」
ジョークス「そらそうよ、そもそも10年スパンで物事見てるし、え?今からビジネス始めると思ってると思ってる!?ははは・・・」
ジョークス「復興が済んだらウチの輸送を安く手配してやるって話なのですが・・・」
村長「ふむ、それなら乗ったわい。」
「すまんのぅ、ボケておってな。」
ジョークス「ういおっ!そしたらここにサインして頂戴!!
ジョークス「あとこの支払い受領証明書類にも描いて!オニ村村長って!」
村長「"復興が済んだら"な。」
村長はよく読んだ上で、書類にサインした。
レイン「契約感謝する。」
ジョークス「アジャーシター!」
ソユーズ「スパシーボ」
テルルは見慣れぬ場面に立ちよったのか、とても不安そうな顔をした。
ジョークス「ま、ほかに復興に必要なものあればすぐ手配してやれや!ウチの子会社は少数精鋭だから売上が並並なんでな~」
テルル「とりあえず、あそこから持っていって。残りで後はうまくやるから。」
テルルは全く異なる世界で生きる者の交渉にかなり緊張していた。
ジョークス「ホエーイ、・・・お、これ金貨かな?ガブーッ」
プテラ「もうちょっと違う鑑定方法は無いのか……」
ジョークス「重さで測るとたまに重金属の表面に金塗りたくってる奴がいてな・・・いわゆるニセ金。」
ジョークス「けもペディアでタングステンで検索してみ。」
プテラ「しょうもないことする奴がいるんだな…」
ジョークス「はは、お前らからしたら金はお湯みたいなもんだしなwwww」
ハンター「そんな奴が世界に何万もいるから困ったもんだ」
プテラ「あ、そうだ……金の話だが、先程本部に連絡を送った。直に部下がもって……おおここにおったか。」
部下の翼竜から金を受け取る
プテラ「これくらいの大きさでいいのかな?」
バレーボールくらいの大きさの金鉱石を渡す
ソユーズ「ああ、重そうだから私が受け取ろう。」
ソユーズはゴロゴロと金の原石を受け取り、引力で衛星にして手元に浮かせた。
テルル(これから、どう転ぶのだろう?少なくとも、これだけは言える…………)
「時代が、動く」
ツシマムが通信を挟み、オニ村一同に語りかけた。
「此度の戦について、宮様が直々にお話をされたいとのことだ」
テルル(今度は何が始まるんだ………)
村人D「テルルのヤツ、相当滅入ってるな。」
村人B「まだなにかやるつもりなの?」
村人C「まぁ、話があるらしいから、聞いておくか」
そいうって、ツシママムシの所に再び集まった
ツシママムシの無線機から高圧的な声が響いた。
宮「(通信)オニ村の村長と村民よ、返書の件、大義であった。聞くところによれば我が使者であるツシママムシが機械化兵2機を葬ったとのことだ。我らも先の戦に無償で手助けした訳ではない。ついてはお主らオニ村に、いずれは礼節の一環として我がエンチュウへ朝貢をしてもらいたいと思っている。
村が壊滅したことは致し方ないことであり、それはエンチュウの財力でどうにかなることでもないが、エンチュウとオニ村の両者は先の戦を共に乗り越えたことで互いを信頼しあえるはずだ。
お主らの使節を迎え入れる準備はできている。私からは以上だ」
テルル「…………」
テルル、そしてオニ村はRIoTとエンチュウという二つの組織の繋がりを得たのである。しかし、この三日間で、天地がひっくり返るような激流が耐えず続いたせいか、テルルは倒れてしまった。
バタン
純粋な疲れだろう、無理もない。異国の情報が考える余裕すら与えず、立て続けに流れ込んできたのだから。
村人B「テルルくん!?」
宮「(通信)そしてセラとやら、我らはお前のことを忘れはしないぞ。いずれお前にもエンチュウの真髄たる我が手料理のフルコースを味わってもらう」
通信はここで切れた。
ジョークス「プケケッwwオナラちゃん死!って感じwwww」
村人A「テルル、おめぇ、一人でよくやったべなぁ。」
ハンター「…」
村人C「ハンターさんや、あんちゃんも落ち着きな?」
ハンター「ああ、すまない」
村人D「サムライさんよ、もう用は済んだのかい?こっちもそろそろ仕事にとりかかりてぇんだ。」
セラ「その呼び方どうにかならないのかしら?」
ツシマム「朝貢の件、念頭に置かれよ」
ツシマム「宮に行けば命はないが、お前に恨みはない。エボシには用心しろ」
ジョークス「・・・お前ウチの同胞が焼き鳥になったの知ってるよな?」
レイン「あれは加勢できずに悪かったな」
ジョークス「あんときお前がボクを邪魔してなかったら音響手榴弾ですぐに助けられたんだよなーーーー」
セラ「本当に申し訳ないことをしてしまったわ…」
ツシマム「あるいは腹を切れば、我らにとって恨み無しだ」
ハンター「あれはあの合体デカブツが悪いと思うのだが…」
ジョークス「ピースもコピキャもボクが音響手榴弾間に合ってたら、一言でも伝えられたらなんとかなってたのになあああああ」
ジョークス「ボクはケツに穴があいて全治一週間だぞコラ」
レイン「社員どもの治療は済んでる。てめェも退け。仕事場だ。」
ジョークス「チッ(爆音)」
ツシマム「ミツマタ殿が、二度と見たくない尻だと」
セラ「…ごめんなさい……」
ジョークス「チャカしてんじゃねえぞ魚ボケ」
レイン「アレはセルリアンの始末が確定していたので治療保険は降りた。金はもう済んでる話だ。」
セラ「その件で私に出来ることがあるなら、なんでもするわ…」
ジョークス「あーそうかよ、金と命の損害はないからなあ。こっちも一言文句言えりゃそれで満足だボケ、ケツに謝罪でもしてろや」
喧嘩をしている間に、村人達はテルルと財宝を全て抱えて、エビス村へ向かって歩き始めた
セラ「……」
ハンター「そんなに落ち込むことはない」
そして、村長は最後に言った。
「皆、色々ありがとうな。困難は多いが"アレ"に比べればマシじゃ」
ハンター「…"アレ"?」
村長「セルリアンの女王じゃよ。パークセントラルのな………。」
ハンター「そうか…」
「カコ博士が捕まったあの時に比べれば、何とかなるなる。」
そう言ってヨロヨロ歩き、去っていった。
ツシマム「宮様の前では口を閉じておけ」
ツシママムシは北の森へ消えて行った
ジョークス「はー少しはスッキリしたわ、お金もジャラジャラ手に入ったし!いい仕事いい仕事~♪」
レイン「寝床もない、機内で寝てから飛って帰るか。」
ソユーズ「ああ、今日戦った同志たちにハラショー」
RIoTは言うだけ言って金を抱えて海辺の飛行機まで徒歩で帰っていった。
ハンター「…俺もそろそろ行かなくてはな。例の奴らが来るまであと4日の間にキョウシュウに向かわなくてはいけない」
彼はそう言い、西の方角へ歩いていった。
ニアラ「セラ、私たちも行こう」
セラ「……」
プテラ「我々も帰るぞ。」
ジェットストーム達も翼を大きく広げ、離陸の準備を始めた
セラ「…私、あs「おーし!帰るよ!皆さんありがとうございました!」
そういうとニアラはセラを半ば無理矢理肩車し、森の方へ走って言った。
セラ「ちょ、ちょっとニアラ!?」
ニアラ「何?昔みたいにおんぶしてほしかった?」
セラ「ちょっとニアラ…それは…///」
二人の陰は一つとなり、いつしか森に隠れて見えなくなった。
RIoT、竜宮、ハンター、ジェットストーム、セラ&ニアラ……それぞれ異国より来訪した渡来人達はそれぞれの目的のために、廃墟と化した村から四方に散らばっていった…………
こうして、未知なるセルリアンによる、オニ村襲撃事件は、幕を閉じたのであった…………。
それから、月日が流れ……エビス村に避難した村人達がもち運んだ宝は全て資金に変換され、全てオニ村のインフラ強化に回すこととなった…………。
同時に、レビルビとゼーグ、ろミカワチホーの各村の協力もあってか、そこより外のエリアの各探検隊とのネットワークを作り、セルリアン退治や破壊された地域の人名救助や復興支援、など仕事の量もかつての倍以上に増えるようになった。
縦穴式住居、高床式倉庫は相変わらず、当時の面影は残すもののこそに舗装された道路、マンション、近代的な住宅が混じりあう独特な景色となり、そこに路面電車も走るようになっていた………。
そして、そんな路面電車の中………
「次の駅~終点~、ハシトヨ駅前~、ハシトヨ駅前~運賃の投入は、停止後に御願いします~。」
???「あの時は、ボクはどうなるのかと思っていたけれど、頑張ってお仕事して、お勉強して、修行もして、気がついたらこんなに生活が便利になっちゃった………。」
そして、その緑髪の鬼のような女性は路面電車から、降り立った。
そして、駅にはレビルビの姿があった。
レビルビ「おう、そなたか?随分待ったぞ?」
???「えへへ、ゴメン、ちょっと遅れちゃったよ♪」
レビルビ「ミカワ探検隊に入隊し、けも級も上がったとはいえ、慢心は御法度であるぞ?テルル殿?」
テルル「そうだよね、気を付けないと。ハンターさんやRIoTのジョークスさんにも笑われちゃうよね。あと、いつか出会うことになる翼竜軍団にも……。」
レビルビ「さて、話を変えるが、今回の依頼は(ホニャララ)チホーのようだ。頼めるか?」
テルル「もちろん!任せてよ!!探検隊の猛特訓でちょっぴり強くなったボクの力、見せてやるぞ!!」
そこには、あの頃のテルルとは少し変わったテルルが居た…………。
「終劇」
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