エクリプスの襲来

………時はいつか。パークやさまざまな場所で原因不明の事件が相次いで起こっていた。

電波障害、磁気嵐、ソレに伴う野生動物、フレンズ、人々の暴走

対策班は原因究明に当たるが未だ情報を掴めず。

唯一無事に発見された監視カメラの記録の中には、嵐のようなノイズと飛び交う数字の中に………不気味な侵食する影が映っていたのだった。

『RP 侵食(エクリプス)の襲来』

はじまりはじまり

レイン「昨日からだ、変動磁力源が確認され、天気予報やらGPSに乱れが出てると聞くが。」

ジョークス「ほーん、変な隕石でも降ってきて衛生に悪影響でもあったんかな?」

レイン「狐てめェ見てこい、GPSの乱れが大きいのはパークだ、パークにそんな隕石が降ってきたのか、新種サンドスター元素の影響か、あるいはセルリアンかなンかだろ、」

ジョークス「えぇ~~めんどいなぁ、ボクはどちらかというと電子戦が得意じゃん?不確定情報と戦うのは好きじゃないっていうか・・・」

レイン「電子機器は持ち込むな。また奇妙な情報抜き取り攻撃してくる奴がいたら敵わん、調査だけしてこい、問題があったら自己判断で処理しろ。」

ジョークス「パーク内だし武装してもいいかね」

レイン「好きにしろ。」

………ここは人の少ない倉庫、小さな研究棟のあるパークでも外れの場所だ

しかし今日はいつにも増して人の気配がせず、がらんとしている。

この研究棟に機械部品を届けに、一人のフレンズがやってきた

セラ「えーっと…ここね」

研究棟にいつもは人がいる時間だが、今日は灯りが全く見えない。

セラは、すこしかちゃかちゃと音が鳴っている倉庫の内に人がいるのかと入っていく……

セラ「少しいいかしら…お届け物を…」

がちゃ……がちゃ……

セラ「(聞こえなかったのかしら?)お届け物よ。暗いところでなにやってるのかしら?」

がちゃ……がちゃんっ!!

セラ(やっと私に気づいたのかしら?)

がら……がらがらんっ……

暗がりから部品を散らして持ち上がる、巨大な首の影

その首のてっぺんが、ぎょろりとセラを凝視する

セラ「宛先はあなた…なの…かしら…っ……?」

見るからに人ではない……

翼をばたばた、ぬるぬると動かしながらその首を、ゆっくり、ゆっくりセラに近づけていく………

巨大な、セルリアンだ。

セラ「違うみたいね…っ!」(構える)

エクリプス「…………!!!!」オロロラロロロロッ

セラ「っ!」

口をぐわっと開け、エクリプスは振動波を全方向に浴びせかかる

セラ「いゃ…っ!?」

エクリプス「………!!!!」コォォォォォォォォォォォォッ!!!

辺りに高音が響く。耳が張り裂けそうな程の声をエクリプス発射し続けている

セラ「っ……!もう…これ以上は…っ!」

エクリプス「………!!!!」

首元からヒモのような触手が現れ、高音で動けないセラの頭部に幾つも纏わり付かせはじめる……

触手には電気のようなビリビリとした帯電がみえている

セラ「やめ……っ!たす…け……っ!」

エクリプス「…………!!!」

バリバリバリッ!!!!!

エクリプスが、取り付けられた触手から電撃を放ちはじめた

セラ「おか…ぁ…さ……っ…」

エクリプス「……………!」

バリッ ..バリバリバリッ .....バチッ バチッ バチンッ....

電撃から何かが身体に入り込んでくる感じがする

何かを、侵食して、蝕んで………

包まれていく………

バリバリッ.....バチンッ

バチッ バチ バチッ

...バチンッ

触手が、取り外される

セラ「…何なりとご命令を」

エクリプス「……………!!!」

高周波でセラに命令を伝達し、背中に彼女を乗せる

大きく翼を伸ばし、エクリプスは次の目的地へと飛び去った……

…その出来事から少し後、パークセントラル近くのじゃんぐるちほーにて

ハンター「…クソ!繋がれってんだ!」

1人の男、ハンターがそこで困っていた所だ。

彼は無線を使用したのだが、電波が悪いのか全然繋がらない。

ハンター「はぁ…」

そうしていた刹那、彼は近くから気配を感じた。

ハンター(ん、誰かくる)

ハンターは素早く近くの草むらに隠れた。

その気配の正体はフレンズ2人であった。

2人は何か話しているようだった。

フレンズ1「…それにしても、最近セラちゃんを見かけないね…何かあったのかな?」

フレンズ2「機械部品を届けに行ってから姿が見えないけど…悲しいことがあってしばらく落ち込んでいるかも知れないし、それとも…誰かに捕まったかも…」

ハンター(…セラというフレンズが居なくなったのか)

彼は2人が居なくなった後、すぐさまその場から立ち上がった。

ハンター(見かけなくなったと話していたがー落ち込んでいる可能性はあるとしてー最近密猟者が増えていることを考えれば…密猟者…特にスカイグライダーズが怪しいな)

彼はそう考えると、自分の装備が万全なことを確認し、そこから立ち去った。

ハンター(にしても、何故無線が繋がらなくなったんだ?)

所変わって、エクリプスは洗脳したセラを連れ、様々な場所を襲い、何かを探しているようであった。

そして、それらは更なる混沌と、エクリプスを追う更なる勢力を増やすこととなる……

数時間後、エンチュウちほー、リュウグウ

(廊下を渡りながら)

宮「して、奴の狙いはまさにここだと?」

カンムリ「侵入者は"大海の記憶"をよこせと、現在はエボシが交戦中です」

宮「そうか、電波障害の状況は?」

カンムリ「依然復旧の目処は立っていません。有線/無線通信以外に物理的連絡も試みていますが、望み薄です……」

宮「相手がフレンズかも分からぬまま、独自に判断しろとはな」

カンムリ「侵入者は数刻前、突如中庭に現れました。その手口は不明です。しかし、本当にフレンズである可能性も……」

宮「それは十分承知している。だが奴を無力化することが最優先だ。これ以上宮を荒らされる訳にはいかない」

その数分前、リュウグウ、中庭

エボシちゃん「いいか、お前の言う"大海の記憶"など誰も持ち合わせていない。そしてオレが太刀を抜かず、木刀を使うのはお前を殺さないためだ。これ以上面倒ごとを増やすな!」

セラ「そう…もしかしてあなた知らないのかしら?」

カツエボ(踏み込んで八相の構えから真っ向に木刀を振り下ろす)

セラ「あら、お話くらいしたっていいじゃない」(横に避けて爪を出す)

カツエボ(正面向きの霞の構えに頭を隠しながらセラの左側に入り込み、さらに回り込みながら後頭部へ水平に振りかぶる)

セラ「まぁ貴女みたいな娘は嫌いじゃないわ」(若干前のめりにジャンプし脚の裏で木刀を受け地面で受け身を取る)

カツエボ(振り返り半身(はんみ)で木刀を腰だめの中段に構える)「ならここでお縄にかかるか?」

セラ「ふふっ…随分と自信があるようね」(爪を出したまま槍を出す)

カツエボ(脇構えで前進し、間合いの寸前で右によけながら下段より槍の切先を左に弾き、時計回りに顔面へ回転斬り)

セラ(左に弾かれる力を利用し槍を自分の後ろの方に飛ばし、体を反らせそのまま後方回転をし槍を取る)

カツエボ(そのまま左右の袈裟、逆袈裟、回転斬りの8連続攻撃で距離を詰める)

セラ(バックステップを踏み、カツオノエボシに向かって槍を投げる)

カツエボ(連撃の最後で上半身を右に逸らし、同じく体ごと右に移動ながら木刀で槍を逸す)

セラ(近づき、爪で攻撃をする)

カツエボ「うっぐっ……!」

(前傾しながら木刀でセラのみぞおちを斬り上げるが、左前腕をえぐられてしまう)

セラ「…っ!…やるわね…!」(槍を再び生成し投げる)

カツエボ(上半身を右に逸らしながら、右前方にスライドしつつ木刀の峰で槍を弾き、両者の距離が空く)

「クソっ…… 血が……」

(出血する左前腕を木刀を持つ右手で抑えるが、遠くからでも分かるほど血液が滴り落ちる)

隙を見たセラは再び生成した槍を中段に構え、即座に半身をとりながら前進する。一方カツオノエボシは止血に気を取られたため避ける時間がなく、自らの生命の危機に相手がフレンズであることを忘れ、神鳴り(髪の毛を尖らせた毒針)をセラの顔に向けて投擲した。

神鳴りはセラの左目に刺さったように見えた。現に彼女は前進を止めて顔をそらしたので、エボシはその隙に距離を空け、左袖のくくり紐を前腕を締め付けるように結び直した。

しかし、セラは大したことではない様子で再びエボシの方を向いた。

「随分と冷たいのね。殺さないんじゃなかったのかしら?」

セラの左目に損傷はなかった。エボシは動揺していた。それは自分が敵ながら生身のフレンズに手を上げただけでなく、左目に直撃したはずの神鳴りが消えていたからである。

「でもまあ、あなたに感謝しないと。欲しいものは手に入った」

セラが槍を振り上げると、彼女を中心に深さ1メートルほどの波の幻影が巻き起こり、エボシを中庭の塀まで押し流した。

 元より宮のフレンズたちは波打つ水面に船のように浮くことができるため、エボシはこの波にも適応し、塀に叩きつけられる前に波から飛び上がることで水面に降り立った。幻影が術者の輝きを真似たものならそれは当然だが、同じく模倣したセラもまた、この中庭を覆いつくす波を我が物としていた。

そうしているうちに彼女は20メートル程の距離をたった一度の水平方向の跳躍で切り詰め、エボシに槍で突きを行った。エボシは半身をとりながら木刀の切先を下に突きつけ、鎬を左手で支えることで槍を弾き、続く連続の突きは足の前後入れ替えと峰による払いで凌いだ。

エボシは最後の突きを外すと同時に左右の袈裟、逆袈裟、回転斬りの連撃で槍の間合いを制し、次にセラの反撃の突きを上半身を逸らすことで躱して彼女の左手を叩き割って見せた。セラにはこの一撃が効いて、続く顔面への回転斬りは後方に大きく跳躍して距離を空ける他なかった。

 そして二人の間に10メートルほど距離が空き、しばらくの間幻術の波の音だけがそこに流れた。

ーーー

「(心中)一度神鳴りに触れただけで、オレの術をここまで再現したというのか……?」

「ああ、これが大海の記憶。広く寛大、包み込むような穏やかさ、そして同じく、畏怖の現れでもある」

 エボシは無言で正眼に構えた。縛り上げた直垂の左袖は既に真っ赤に染まり、左腕の感覚は無くなりつつあった。

「私はこの美しさを再現し、保存する役目を頂いた…… あの方に授けられたこの力、必ずや完成させて見せるわ」

「この力、模倣と保存はセルリアンのそれだろう。海の輝きを征するなど、気取った真似を」

「美しさを一つに還すだけよ、あなたたちが成し得ない業でね」

「そうか、偉大な外海も甘く見られたものだ……」

エボシは術がこれ以上模倣されることを最も危惧していたため、彼女の心中にはある作戦が思い浮かんでいた。それが確実な策である確証はもちろんなかったが、この状況を打破し得る手段ではあったのだ。

エボシ「例え不完全でも、オレは、ヒトやフレンズの可能性に将来を賭ける」

構えを崩し、遂にエボシは自身のけものプラズムを放出した。それに合わせて空が日の光を遮るほどに曇り、セラが発現させたはずの波の幻影は彼女が適応しきれないほどの荒波に変化し、エボシだけがその波の上でまともに浮いていられた。

「あなた…… 自ら手の内を明かすというのね……!」

セラは波に飲み込まれまいと平衡を保ちながら答えた。

「オレの輝きに打ち勝たねば、お前が大海を征すなど、海に勝らぬ夢幻だ」

エボシは腰だめの中段に構えた。

「"外海返波"(とのうみのかえりなみ)、見せてやろう」

状況が大きく一変した。エボシはセラがやってみせたように、一度の跳躍で間合いを詰めたが、セラに先ほどのような機動力はもはやなく、むしろ波に足を捕らわれていた。しかし並みの人間はこの幻影に飲み込まれ押し流されるので、これでもエボシの"外海返波"に適応できている方ではあった。

 エボシの着地と同時の突きを何とか躱したセラは反撃の余地もなく、続く左右の袈裟、逆袈裟、回転斬りによる9連撃を寸前で何とか弾くなり躱すなりする他なかった。

遂にセラは槍を弾かれた勢いで波に足を捕らわれ、そのまま体制を崩して槍の切先を横に開いてしまった。その瞬間エボシはセラのみぞおちに突きかかり、セラは寸前で槍を捨て、力ごなしになんとか両手で木刀を受け止めた。

「これで終わりだ……!」

セラの両手を下方向に外し、波の上下運動を利用してエボシは飛び上がり、セラの肩を袈裟に振りかぶった。

しかし、振りかぶった瞬間セラの背後から予想だにしない大波が巻き起こったことで一撃は空振りに終わり、エボシは大波を被って再び幻影の水面に着地しただけだった。

エボシは目の前のことに呆然としながらある恐ろしいことに気づいた、自身の生み出した幻の波を制御できなかったのである。

「ぐはっ……!」

そしてその刹那、セラの槍が胴丸ごとエボシの背中を貫いた。

「エボシ!」

「遅かったか……!」

カツオノカンムリとリュウグウノツカイが追い付いた時にはエボシは力尽き、ただ波に揺られているだけだった。

「夢幻はあなたの方ね」

セラはエボシを蹴りだして槍を抜き、血振るいをした。

「思ったより早く完成したわ、"大海の輝き"。これであの方の理想に近づく……」

二人は中庭に面した縁側にいたが、幻術の波はそこまで打ち寄せて来るほどに強まっていた。

 そんな中、カンムリが双刀を抜いてセラに挑もうとするのを見て、リュウグウはその肩を引き止めた。

「奴の狙いは最初から大海の記憶を引き出させることだった。今お前が挑んでも、エボシの二の舞を演じるぞ」

「ですが、今逃がしたところで後の祭りです。このままでは……!」

「……後の祭りか」

リュウグウは諦め半分に答えた。

「奴の力が未曾有である以上、私も使いたくはないが、大海の輝きを一部御すことはできる。お前はエボシの救出に集中しろ」

「宮様、恐れ入ります」

カンムリが双刀を十字に構えると、リュウグウは両手を前方に交差して構えて偃月刀を生成し、同時にその目と冠の玉(ぎょく)は桃色の光を放った。

「まだいたのね、やっぱり一人分じゃ足りないかしら?」

セラは槍を生成した。リュウグウは大海の記憶に同調することで大きく前方に跳び、着地と同時にセラへ回転薙ぎ払いをした。

カンムリも十時の構えでセラに向かい走り寄ったが、リュウグウの薙ぎ払いと同時に構えを解き、エボシの方へ進路を変えた。

 リュウグウの薙ぎ払いをセラはバックステップで躱し、リュウグウの正面にその身長の倍はある波を起こした。しかし、リュウグウがその直撃の前に偃月刀を振り上げると、この波は桃色に光る薄い障壁によって完全に弾かれ、水流はセラに帰ってきた。

 セラは再び術が通用しない相手と見えたが、今度ばかりは相手の術が違った。

 起こした波が消えると、リュウグウの足下半径二メートルほどの範囲は幻術による海原の波が消えて静まり返っていたのである。その境界部は水飛沫を上げて幻術の無力化を表すばかりだった。

「奪われるなら、術を解くまでだ」

「……解かれるなら、また奪うだけよ」

セラは突如振り返り、離れたところでエボシを拾い上げようとするカンムリに槍を投擲した。カンムリはこれを想定していたので、右手の刺刀で槍の軌道を外し、半身でこれを躱したが、槍は彼女の顔をかすめていた。

セラはカンムリに走り寄ろうと踏み出したがリュウグウの追撃の方が早かった。彼女は足場の荒波を鎮めながらセラへ走り寄り、間合いに入ると即座に突きと袈裟の斬り上げを行った。寸前で躱されたが、運よくこの斬り上げはセラの左肩に浅く入った。

 一方カンムリは納刀し、エボシを抱えて先ほどの庭向きの母屋まで幻術の波の上を走った。彼女は一度そこでエボシを降ろし、血濡れの左袖を裂いて自分の手ぬぐいをきつく結び直した。奇跡的に脈は微弱ながらあり、次は応急処置のため、カンムリはわずかながら医療設備のある用務室を目指した。

リュウグウとセラの両者は再び離れた間合いで対面した。

「(心中)術を保存できない…… それどころか波を消されたわ……! あの方の理想を叶えるには、ここで私が生き残らないと……!」

「エボシに手をかけた以上、どういった事情であれ、我らもお前を殺すつもりだ。と言っても、貴様は聞かないか」

不利を察したセラは再び高波を起こし、リュウグウを飲み込もうとした。リュウグウは偃月刀を高く掲げ、障壁で波を弾いて見せたが、これは海の輝きに対してのみ効力を持つのであって、波を貫通し、足をめがけて飛んできたセラの槍を弾くに至らなかった。

リュウグウは不覚を取り、この槍を偃月刀の下の刃で突いたが、槍はそれより速く彼女の左大腿の内側を刺した。

「くっ……うぅっ!」

リュウグウは涙をこらえたが、そのまま立っていられる状態ではなく、右足から尻もちをついた。

一方セラは出血する左肩を抑えていた。

「もうあなたたちに用はないわ」

リュウグウはセラのいる方へ偃月刀を向けていたが、セラは自身の足元に高い水しぶきを上げ、それからは姿をくらました。

 幻術の波は水位が下がっていき、空も元の晴れを取り戻し、リュウグウはいつの間にか中庭に座り込んでいた。

かくして、宮の襲撃を行ったセラとその裏に着く「あの方」はパーク本部を通じて連絡のつく全てのフレンズ、パーク関係者に伝えられた。

レイン「魚どもがセラという、あー、猫とアンテロープのハーフ?に襲撃された。セラは情報を奪い再現するとのことで、既になんらかの特殊なセルリアンと化してる可能性がある。変動磁力源もセラの起こしたものだろう。幸いパーク内では通常兵器の制限は無い。ピースメーカー、ジョークスを探して連絡しろ。武器も用意できるだけ用意して行け。」

ピースメーカー「了解です。あぁ、久しぶりですねえ明確な敵性生物の駆除は!2人で充分です。必ずセラと『あの方』を始末して見せますよ。」シュパンッ

───パークセントラルにて

セントラル中央に設置されているパーク研究所に一通のメールが届いた。

研究員のツクヨはメールを開き、丁寧に書かれた文章を読んだ。

『for:パークセントラル特定特殊生物研究班

エンチュウにて正体不明のフレンズが暴れております。おそらくそちらの所有しているセルリアンの研究資料に対策案が書いてあるそうなのでデータをこちらに渡してください。from:RIoT兵器開発部部長 ピースメーカー』

急いでツクヨは研究資料を管理するフレンズ───カタグロトビと───たまたま暇で手が空いていたマレーウオミミズクのバフィーとともに、研究資料室に向かった。

バフィーは面倒くさそうに資料を漁っていた。

「ちっ、あのハトめ。いつもはメールなんか寄越さないくせにこんな緊急事態になってから律儀にメールしてきやがって。

お得意のワープとかなんかで来やがれっての!」

カタグロトビは愚痴愚痴言いながら資料漁りをするバフィーを横目に見つつ静かに答えた。

「この前は散々ワープしてうちの資料荒らし回ってきやがったから今度からはメールでやりとりしろよって言ったんだよ。やれサンドスター材料工学関連の資料寄越せとか、セルリウム熱力学に関する資料とか…特二班(特定特殊生物研究班)にはそんなもんねえよって追い出してやったよ。うちはなんでも置いてる図書館じゃないからな」

基本、特定特殊生物研究班が所有する資料とは、パークの特定特殊生物調査班と呼ばれる特殊部隊に所属するフレンズ達がセルリアンのコードネーム・危険度・セルリウム濃度・セルリアンが持っている固有の特殊能力などの細やかな情報を記した資料がデータファイルとして保管されている。

データファイルを整理しながら、ツクヨはピースからのメールに何らかの違和感を覚えていた。

「無論、ここにある全てのセルリアンの資料をこちらに渡す気は無いので、詳細な内容の返信を求めると、何故か宛名の読めないメールがこちらに送られてきた。」

カタグロトビが尋ねた。

「その内容は?」

「メールデータが破損している中に『Code Name eclipse』とだけ読める文章が書かれていた。そして、引き続きピースからの返答を待っているが、未だに返っては来ない。そして私は返信先のアドレスを調べてみることにしたが、それはRIoTの物と一致した。」

「それって…ピースの送ったメールを誰かが書き換えて、俺たちに何かを伝えようとしてるんじゃないのか…?しかもそんな事ができるような奴は…」

情報を書き換え、上書きすることができる存在に、一つだけ心当たりがあった。

「そしてエクリプスというコードネーム。おそらく認識阻害型のセルリアン…しか居ないわね」

ツクヨとカタグロトビはエクリプスのデータをファイルから取りだし、閲覧を始めようとしたが。

「なによ…これ…」

エクリプスのデータは、意味の無い文字の羅列で埋め尽くされていた。

「エクリプスのデータが破損している…だと?」

カタグロトビとバフィーは隅から隅までエクリプスのデータを閲覧したが、既に全ての文字が意味を成していなかった。

「ダメだ…バックアップデータもイカれてやがる…」

バックアップを確認したバフィーの目には、同じく意味を成さない羅列しか映らなかった。

「メールでのやり取りも不可能…エクリプスのデータは実質閲覧不可…きっと通信機も無理ね」

ツクヨはピースに渡すはずだったデータをどうするか悩んでいた。

「とりあえず、このデータが復旧するまで私が保管しておきましょう」

急いでこの状況をピースに伝えなければいけないが、RIoTの支社まで直接聞きに行くしか手段はなかった。

「連絡手段がない以上、ハトの所までは直接スタッフカーで行くしか無いよな…」

こうして3人はスタッフカーでピースがいる場所へと向かうことにした。

ピース「ごきげんよう。変動磁力源まで私を探しに来たという事は、電子メールはやはり正常に届かなかったようですね。」

ジョークス「ういおっピースじゃん。なに?原因わかったん?」

ピース「セラというフレンズがセルリアン化したとのことです。始末してその原因セルリアンを探りましょう。」

ジョークス「簡潔で非常によろしい!」

特二班は道中で変動磁力源を察知すると、そこには白いハトのフレンズ──ピースメーカーと、シャツを気崩しているのか、それとも服を着るのが下手なのか分からないようなキツネのフレンズ、ジョークスがいた。

「うっわクソギツネじゃん…」

バフィーは小声でジョークスを見て言った。

ジョークス「どうだい?なんかわかった?ってかセルリアンの情報資料出せ」

ピース「セラとセルリアンを始末すれば事は終わります。今日はかんたんなミッションですね~。」

カタグロトビ「悪ぃ…その資料なんだが…」

```ツクヨ、2人に破損した資料を見せる```

ツクヨ「エクリプスというコードネームまでは判明したが、その参考資料がエクリプスの認識阻害によって破損してしまった」

ジョークス「ミツビシ?認識阻害能力があるん?口頭で今知ってること全部話せ。でもそのクソ資料もくれや、鑑識に出せばなんかわかるだろ」

ピース「鑑識というか検事ですがうちの顧問弁護士を呼び出しましょう。」

ピースは新しいワームホールを開き、猫のフレンズを呼び出した。

コピーキャット「鑑識?見せてみろ」

コピーキャット「・・・このままスキャンを掛けて文字化け解読とかいうツールを通せば多少読めるかもしれん。」

ジョークス「そんなけもッターのおあそびみてえなのでいけるのかぁ?」

コピキャ「ピース、一度本社に送れ、5分で解読する。出来なければ今ある情報で挑み、始末すればいい。」

ピース「わかりました。」シュパンッ

ジョークス「うん。おっけー。その間にミツビシを探してやれたらぶちのめすか。」

カタグロトビ「ミツビ…エクリプスに関する情報は前にも閲覧した事がある。奴には通常の攻撃は効かない。そしてヒトやフレンズの精神を汚染し、暴走させることもあるそうだ」

ジョークス「ほえー、通常攻撃効かないのん?熱は?音波は?光は?磁力は?おならは?」

ピース「フレンズをセルリアン化させる、間違いなくそいつですね。宮の連中が始末できなかったのだから対大型セルリアン用の武器は持ち込みましたが・・・効くかどうか・・・」

バフィー「そんなもんとっ捕まえて熱でもおならでも試してぶっ倒してみるしかないだろ」

ジョークス「とっ捕まえることが不可能っていう話をしてたんだけど、なにか?お前出来んのかよ物理的に攻撃を無効化?してくるやつにワッパ掛けたり、してみろよ」

ピース「さて、リプリーが情報解読できたか呼び出してみましょう。」シュパンッ

コピキャ「ああ、一部の情報は解読できたよ。文字化け複合で本当に戻るとはな。」

コピキャ「エクリプスは6体のセルリアンの結合体であるらしいことが分かった。動きは素早く、電子機器への妨害能力を持つらしい。」

ジョークス「イイネ!んで、弱点は?おなら効くの?」

コピキャ「弱点は・・悪いが解読できなかった。とりあえず『弱点は』まで記述されていた。必ずあるはずだ。ミミズクの言う通り屁の突っ張りだろうが糞尿だろうが効果的な技をブルートフォースするしか無い。」

一方その頃

レッド「な~もう帰ろうぜ~」

ホワイト「ハァ!?貴様が強い奴を探しに行くとかぬかしおってわらわを連れまわした癖に何を言ってるのだ貴様!」

レッド「だーってよー全然みつかんねーんだもん飽きるわ」

ホワイト「こ・・・こんのクソガキィ~~~・・・・・・この場で八つ裂きにしてくれるわ!」

レッド「ん、おっ!なんか強そうなやつの匂いがする!よっしゃいくぞぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ホワイト「待て貴様ァ!四肢をもいでやるぞクソヤロウ!!!!」

それらから少し離れている所…

ハンター「お前、セラというフレンズを知らないか?」

密猟者「し、知るわけないだろこのクソ野郎!そもそも…」

ハンター「なる程な。じゃあ寝ろ」(密猟者の顔に思い切りパンチを食らわせる)

密猟者「」

ハンターは密猟者を片っ端から捕まえては問いただし、倒していった。しかし未だに肝心のセラというフレンズの情報は得ることが出来なかった。

ハンター「コイツでもないか…」

彼はそう呟き、先へと進んで行った。

その後、激闘となる事を知らずに…

```

エボシとの激闘の末に大海の記憶を模擬し、リュウグウを後にするセラ。

彼女らの激闘はパークにも伝わり、RIoT、特定特殊生物調査班との渋々協力を始める。

その傍らではそれとは別にセラの捜索依頼を出されたハンター、ドタバタと強い奴らを探し回っているやつらがいた。

一方エクリプスはとある湖畔の研究所内部で、セラと共に情報を漁ろうとデータベースに触手を侵入させようとしていた……

```

セラ「……これであなた様の計画は完遂する…」

セラの後ろには巨大な影。

胴体と長い首をゆらゆらと揺らし、エクリプスが狭いはずの扉に侵入し、情報媒体に触手を伸ばしかけたときだった…

カンムリ「無線通信の障害、送電設備の不調、やはりここでしたか」

カンムリ「久方ぶりですね、セラさん」

彼女の背中にはカツオノエボシの太刀が、その太刀紐で結び止められていた

エクリプスは触手をしまい、ゆっくりと扉の向こうの影に首を向ける

エクリプス「…………!!!!」オロロラロロロロッ

カンムリは両腰の刺刀(さすが)を抜き、十字に構えた

カンムリ「……参る」

カンムリは真向にセラへ駆け寄り、二振りの刺剣をセラめがけて斬り払った

セラ「っ!」

セラは槍を取り出し、カンムリの斬り払いを二振りとも若干強引に受けた

カンムリはそのまま間合いを開かせないため、セラの籠手へ連続斬り上げを繰り出した

セラ「っ…!」

セラは切り上げを一つ受けると槍を力付くで押し、槍は捨て、姿勢を低くしたサイドステップでカンムリから距離を取った

エクリプス「…………!!!!」オロロラロロロロッ

戦闘中の彼女らを尻目に、エクリプスがまたも触手を伸ばし始める

続いてカンムリはセラに向かい目にも止まらぬ9連続の回転斬りで距離を詰めた。これは淵中無心流の"吹風廻し"と呼ばれる技にあたる。

しかし迫る触手を前に、吹風廻しが終わるとカンムリはセラからバックステップで引き下がりながらその触手らを斬り払う他なかった

スパンっと自らの触手を斬り外されるも、ぐるりと首をカンムリに回して火球を吐き出すエクリプス

下でビチビチと跳ねている触手はすぐに動かなくなり、部分的にパッカーンして消えていく

それと同時に再生を試みるが、何故か再生が異様に遅いことをエクリプスは察する

カンムリは元いた入口へ踵を返し、走り込んでいた。途中火球をかわすなどしたが、入り口まで来て振り返るとエクリプスの様子の変化にも気づいていた。

「(心中)あの巨体は……セラの主人? でも私の毒を模倣しきれていない。それにあれは自己修復を試みているの? やけに手間取ってるようね」

エクリプスは必死に自らの触手を再生し、力を溜めている…

「ひとつ試してみましょう」

カンムリは自らの髪の毛を数本切り、これを針のように尖らせてエクリプスへ投擲した。

```カツオノエボシはこの"宮の神鳴り"をより強く遠くへ飛ばす改良をしたが、元来の姿はこのカンムリの秘術である。```

毒針がエクリプスに向かうが、その毒針投擲はエクリプスの身体に触れた瞬間水面のように波紋を作り、そのまま蜃気楼のように身体をすり抜けて向こう側の鉄壁に刺さったのだった

ジョークス「」ビクッ

ピース(シーッ)

コピキャ(裏口から入った途端にドンパチとはな・・・)

カンムリ「(心中)消えた……!」

その一瞬でエクリプスはカンムリの距離僅か1mまで瞬間的に移動し、不意打ちの一撃を当て、即座に目から強力な衝撃波を放った

エクリプス「…………!!!!」

ドンッ…!!!

その衝撃波でカンムリは尻もちをつき、その間頭の中が真っ白になり、呆然としていた。次に何をすべきか、考えずとも分かっていたことが頭から抜けていたのである

ジョークス(お、今コンピュータから離れてるやん!このスキにHDD抜き取って釣れるんじゃね?)

コピキャ(幸い忍び寄るのは得意だ。電源が落ちているもののHDDをありったけ抜き取れ・・・)コソコソ

```

カツオノエボシから記憶を抜いたセルリアンが次に研究所に向かったので、

記憶、そして記録といった情報を食うセルリアンであるという仮説を持って

二人はコンピュータのHDDを盗み始めた。

 ```

エクリプスは動けなくなったカンムリをもう片方の長い一本の触手で掴み取り、復元したての触手で空気中のチリを固め始め、勢いよく発射した

先ほどに毒針を打ち込まれた恨みかはわからないが、多くの弾丸がカンムリを襲う

塵の塊はカンムリの顔面に直撃し、幸い眼球は免れたが、無数の傷からの出血で彼女は視界を奪われてしまった。

ジョークス(オーこわ、ピースピース、これ全部外に送ってくれ)ポイポイ

コピキャ(合わせる、ケースかなんかに突っ込め。)ポイポイ

``` コピーキャットはジョークスの投げるタイミングと同期して軽快にそして雑にピースメーカーにHDDを投げていく```

コピキャ(おい、もう少し丁寧に投げろ。貴様のマネをしているんだぞ・・・)

ジョークス(そんなこと言ったって速くしねーと奥で戦ってる魚2号が焼き魚に・・)ブゥゥッ

ジョークス「あ」プゥッ

``` 音も立てない隠密作業の中、間の抜けた音が数回研究所の資料室に響いた```

ジョークス「・・・」(やっべ、このタイミングでおならブッこいちゃった・・・)

コピキャ「・・・」(おい、貴様にあわせて私も放屁してしまったではないか・・!このクソ狐・・・///)

エクリプス「…………?」ポロロロラロロ…

喉を鳴らしてエクリプスがボロボロになったカンムリを手放す。

そこにはHDDを引き抜きまくったフレンズ二人の姿。

瞬時にエクリプスは口をガバァッと開けて火球を溜め、発射した

ジョークス「やばいやばいやばいバレてるよかわせーーー!!」

コピキャ「うぁ」シュバッ

ピース「全部受け取りました!とりあえず湖畔に送ります!!」

``` 悪臭漂う中、RIoT社員はエクリプスの狙っていたらしい記録情報を抜き取ることに成功したらしく、明らかにエクリプスはHDDをワープさせるピースメーカーをねめつけていた```

ピース「やはりHDDが狙いのようですね・・ジョークス!どうしますか!?」(まだくさい・・・)

火球を発射した直後、体勢を変えずにピースに右腕の火球砲を向けるエクリプス

もう火球発射の準備は完了し切っている

ジョークス「撤退撤退!よくわからんけどこいつの射線に立つな!」

ドゴォォォォォッ

勢いよく火球が発射される

ピース「りょっ!?!?!?」シュパンッ

``` ピースメーカーは返事の余裕もなく業火を回避することも兼ねて湖畔へワープした```

研究所の鉄壁が見る間に溶け、月光が差し込む。

水面に映る月光がきらきらと研究所内部に反射している。

エクリプスは口と右腕から火球発射後の煙を噴き出しながら、溶けた壁から身を乗り出して辺りを見回し始めた

ジョークス「おい、天下のRIoTにケツむけてんじゃねーぞ!!」バァンッ

``` ジョークスはお返しとばかりにショットガンを狙いも付けずに発射した。

 激しい発光とともにショットガンの銃口からは凄まじい熱量の”炎”が飛び出し、エクリプスに投射された```

ジョークス「へっへーん、おならは効かなくても熱ならさすがに効くだろ!!」

コピキャ「焼夷弾か、これなら」

途端にエクリプスの身体は、吹かれた煙のようにふわりと炎をいなし、また同じ形に戻った

ジョークス「え」

原型が戻った直後、ゆっくりと長い首を炎の発射された方向に振り向かせる

エクリプス「…………!!」ロォォォォ…

コピキャ「熱も効かない・・・か・・・」

ジョークス「リプリー!アレやれ!ボクが魚かたす!!」

コピキャ「やむを得ない、キャァーーーーッ!?こっ、こないでよぉ!威嚇のぽーずぅ!!!!」ビシッ

``` コピーキャットは急に少女のような金切り声で叫び始めた。それは弱ったフレンズが傷口から輝きを放っているときの断末魔であり、セルリアンがコピーキャットに照準を向けるには十分な擬傷演技であった。```

エクリプスはコピーキャットに自らの触手を発射し、絡めとり、伸び分を元に戻して自身を一瞬でコピーキャットまで近づけもう片方の一本の触手で強烈なハンマー攻撃を行った

コピキャ「カチカチ甲羅ガード。」

``` コピーキャットはとっさに着ていた赤いジャケットを破り、触手から身を守るようにひるがえした。

 ジャケットは甲羅のように固くなり触手の打撃を受け止めた```

ジョークス「いいぞ!・・・あれ大丈夫か・・・?」タタッ

``` ジョークスは負傷し倒れたカツオノカンムリの髪を引っ張って正面口まで引きずった```

エクリプスはジャケットをひっつかみ、火炎弾を発射した

コピキャ「ほわ、お届けキンキン棍棒ですぅ~」ガキィンッ

``` ジャケットの内側からコピーキャットが向けた腕に冷気が集まり巨大な氷柱を発生させて火炎弾を打ち消して破裂し、左腕を貫通した。```

火炎弾を阻止されたエクリプスは右腕の損傷の影響でバランスを崩した

ジョークス「ん!?効いた!?もうなんでもいいから喰らえ喰らえ!!」バァンッドォンッ

ジョークスは手元にあった音響グレネードやら発煙筒やらを投げつけまくった。

エクリプス「…?!?!?!」パロロロロロルララロロッ

急にエクリプスはコピーキャットをつかんでいた触手を解放し、体を押さえながらのたうち回り始めた。

背中や胴体、脚部がぐらついているのを必死にぐらつく触手で押さえながらゆらゆらと小鹿のように立ち上がる

ジョークス「・・・ん?なんかキモくなったぞ??」

コピーキャット「私を掴んでいたので攻撃が効いたようだな・・・」

ジョークス「うん、いや、えーっと、多分それもありそうなんだけどさ、でもたぶん氷じゃないわ、なんかボクが投げたやつで極端にビビったように・・・いや考えてる時間がねえ!魚持ってとっとと逃げるぞ!!」

ジョークスとコピーキャットは負傷したカツオノカンムリを引きずって研究所から退避し、湖畔に向かった。

体勢を取り戻したエクリプスは辺りを見回し、研究所の外に飛翔を開始し始めた

ピース「ふふふ、役者は揃ったようですね・・・エクリプス、セラ、第二ラウンドです!!」ジュビィィィィッ

ピースメーカーは抱えていたレーザーライフルを夜空の雲に向かって撃った。

レーザー光は減衰せずに一直線に雲を射抜き、乱反射した光が月を遮るエクリプスを照らした。

ジョークス「さぁ、始めようぜ!続きはWEBで!」

敵の正体を見破ったRIoT、そして輝く空に反応した戦士たちが湖畔に集まり、最後の戦いが始まろうとしていた。

続く

研究所から少し離れた所ー

ハンター「…ん、あの光は」

ハンターは空に輝く光を見た。そして空を翔ぶ巨大なセルリアンも見た。

ハンター「場所は…研究所か。…よし、行こう」

彼はすぐさま光が放たれた場所へと向かった。

月に映るエクリプスの影を確認し、カタグロトビとバフィーは研究所の方角に到着した。

湖に向かう森林の中でカンムリは意識を取り戻した

カンムリ「あなたは…… ジョークス……?」

ジョークス「魚ぁお前敵情も知らずに単騎でアホムーブかましてかたきのかたきになってそれが何の実利があるってんだよボクの手煩わせやがってよそもそも見つけたなら速く連絡すりゃいいものをよそのせいでウチのリプリーが軽症だぞこのボケナス」

エクリプス「…………!!!!!」ロロロロロロ……

エクリプス光に目が眩むが、すぐに復帰し、あたりを捜索し始めた…

カンムリ「私は……敵(かたき)を討とうと、エボシが襲われてから、躍起になって何日も……」

カンムリ「あなた達もセラを……?」

ピースメーカー「そうです。セルリアンに寄生?されたセラとその本体を始末することが目的です。あなた達のように、やあやあわれこそはと一騎打ちして返り討ちに遭うほど短絡的ではありませんがね」

コピキャ「物理攻撃が通じないかと思ったがいくつかの技は通用したらしい、私の泣き声には反応したようだが・・・物理攻撃は向こうと同時に行うならば通る。まあ貴様と相性が悪いのは変わらんな、ジョークス、そいつのセラの始末を手伝ってやれ」

ジョークス「ういおっ。他の属性攻撃できる味方がくるまでにあいつ始末しようぜ!!」

「待ちなさい」

声のした方を向くと、木々の間の暗闇から行燈のような明かりと妙な光る斑点があった。

ミツマタ「カンムリ、リュウグウに止められたのに随分と無様ね。これじゃエボシの二の舞よ」

彼女はミツマタヤリウオ、宮の側近で"大海の輝き"にも明るいフレンズだ。

ミツマタは一行に歩み寄った、

「セラは大海の輝きを模倣した、真似できる術はあなたのも例外じゃない」

「だからリュウグウの代わりに、大海の輝きを御せる私が送られた」

「宮様なら、そうするでしょうね……」

「そうよ、だからセラは私がどうにかする。できれば殺さずにね」

ミツマタ「あなたの処分は後の話。RIoT、セラには打つ手がある。問題はあの巨体、攻撃が通らないそうね」

ジョークス「誰だよてめーは 横から出てきて好き勝手言ってんじゃねーぞネクラロリコンヤンデレおばさん」

コピキャ「そうか、そっちの魚、あのバスタードに対抗手段があるならジョークスを上手く使って始末しろ。」

ジョークス「えー!なんなん!?こいつと共闘!?ッハァ~マゾかよはいはいわかりました合わせてやるから作戦教えろよ・・・」

ミツマタ「結論から言えば、セラを殺さない場合私が奴を封印する。そのために非殺傷武器を使え。加えて至近距離では私が先行する。お前はできる限りの妨害をしろ」

ジョークス「ボ ウ ガ イ♡ 得意だぜ名も知らぬ謎の魚!・・・で、マジでお前誰?ボクRIoT営業部長のクロギツネ ジョークスだ。そっちのクソネコはコピーキャット、そっちの爆乳ハトはシラコバトのピースメーカーってんだ、以後よろしく今後会わないと思うけどな」

ミツマタ「ミツマタヤリウオ、クジャクによろしく伝えておけ。行くぞキツネ、セラはそう離れていないはずだ」

ジョークス「わかったぜ魚3号・・・4号だっけ?まーいーか。あと生死は問わないから好きに仕留めていいぜ~!セルリアンに寄生だかされてるみたいでこの戦闘は『やむを得ない理由による』んでな~!」

ミツマタ「先に仕掛けたのは奴だ、フレンズ殺しの不名誉も覚悟の上、エクリプスの直下付近から偵察するぞ」

ミツマタ「それと私は断じて"ロリコン"ではない、健全な母親だ!娘のホウライエソもいる。そこを履き違えるな!」

ジョークス「え?適当に言ったのにすげえ過剰反応するやん、何度か言われたこと有るんだろ?ww」

セラ「ならお母さん、私に味方してよぉ」

セラはどこからともなくスルッとミツマタの横に表れ抱きつき、普段とは違う甘えるような声色で、しかし妖しい瞳で言った。

ジョークスは異物が視界に入ると同時にショットガンを発砲した

ジョークス「セラそこ!」バァンッガァンッ

ミツマタは咄嗟に脇刀を抜き、セラの顔面へ向けそれを刺した

セラは自分とジョークスの射線上にミツマタを挟むように回り込み姿勢を低くし、ミツマタの足を引っ掛けた

ミツマタはかけられた足をそのまま持ち上げてセラへ蹴りをし、脇刀で再び斬りはらった

ジョークス「散弾ではなぁ・・・魚ぁ! .45で近接に持ち込むわ!」

ジョークスはショットガンをポイ捨てし、接近しつつ爆乳から大型拳銃を取り出した

セラは槍を生成して斬り払いを受け、すぐさまジョークスの射線上に入らないよう、間にミツマタを挟むようにさながら、ミツマタに接近し槍で胸を突いた。

ミツマタは足を入れ替えながら半身で突きを脇刀の鎬で右に外し、セラの首へ突き込んだ

そのころ、エクリプスは取られたHDDを探し、空を飛び回ってRIoTを探し回っていた

エクリプス「………………!!!」

ジョークス「魚!ワキ借りるぞ!」バァンッ

ジョークスはミツマタの脇腹から腕を伸ばしてセラの下腹部を撃った

ハンター「おいデカブツ」(エクリプスの後ろから)

エクリプス「…………?」

ハンター「セラというフレンズが居なくなったと聞いて、俺は密猟者が怪しいと思ってそこを探ったがそれらしい情報はなかった…するとお前しかないだろう」(サンドスターランチャーを2、3発放つ)

エクリプス「……………!!!!!」

エクリプスは筒を吹いたような奇妙な咆哮でハンターを威嚇した

セラ「っ…!」

セラは大きく吹き飛ばされると空中で体制を整え綺麗に着地した。

セラ「あまり遊ぶのはよくないみたいね…」

ハンター「クッ…その咆哮、さすがは巨大セルリアンだな…だが!」(すぐさまその場を放れ杭を1つ投げる)

ジョークス「逃がすな!」バァンッバァンッ

ジョークスはミツマタと足並みを揃えて接近しつつ射撃を続ける

ミツマタは拳銃の射線を横に前転してはずれ、その先でプラズムの三又槍を生成した

エクリプスは毒針を撃たれた時のように、杭を煙のように貫通させた。

エクリプス「………!!!!!」ロロロロロロロ……!

ジョークス「ほーん、あいつ多彩だな」

ハンター「何ッ!?これが効かないのか…!」

セラは湖に近付くと自身の槍をミツマタに向かって投擲した

暗闇の森林で、ミツマタの発行器とジョークスのガンライトがあたりを照らした

シング「見つけた!でっかいセルリアン!」カタグロトビとバフィーに連れられてやってきたシングはエクリプスと対峙するハンターの元に駆け寄った。

ミツマタは半身になりながら自身の三又槍でセラの槍の軌道を右にずらして避けた

ジョークスは再装填しつつ一度退き、投擲のスキを突いて姿を眩ませる

ハンター「…?どうしてここに…?」(シングを見ながら)

セラは直ぐ様湖に飛び込むと彼女を中心に波の壁が出来はじめた

ジョークス(なんだあれ、あれがあいつのけものミラクルか?魚はアレの対策ができるってのか?・・・よくわからんが上手くやれよ魚・・・)

ミツマタ「淡水とはいえ、私にあえて水辺で挑むとはな」

ミツマタは森を出て湖の岸に立つと、槍を横に払った。すると幻術の波は即座に形を崩して流れ落ちた

ミツマタ「リュウグウが何も学ばずにおめおめと私を送り出すとでも?」

ジョークス(水キャンしたぞ水キャン)

ミツマタ「エボシの大海の輝きだろうが、封印されては使いようもあるまい。"大海の記憶"をよく知る者はそれを御せるのだ」

ミツマタはセラの方へ歩み寄り、湖の水面を歩いて見せた

シング「あ…はじめまして、ハンターさん。いきなりで悪いけど、ひとつ試したいことがあって。」

シングはハンターに作戦を提案した。コピーキャットが解析したデータから導き出した弱点、それは、カウンター攻撃の間にできる隙である。

エクリプスのカウンター攻撃スレスレのタイミングで、ハンターのサーベルを弱点に向かって突き刺すというものである。

「私の歌なら…あなたの身体能力を引き上げることができる。たったの10秒しかできないけど…それでも大丈夫?」

ハンター「…ああ、大丈夫だ。頼む」

エクリプス「……!!!!」ロロラロラロロッ

エクリプスはシングたちに火球を二発発射する

セラ「っ…!なら…それも貰うわ!」

セラはカワウソの様に素早く泳ぎ、水面から低く飛び上がる。それと同時に槍を生成し、ミツマタの籠手を狙い的確に投擲した。

ハンター「うおッ!危ない!」(シングを庇い火球を避ける)

ハンター「…このデカブツめ!」(コートについた火をはたきながら)

エクリプスは即座にハンターの距離30cmまで一瞬で瞬間移動し、即座に踏み付け攻撃を行う

ハンター「うわっ!くそッ!」(ギリギリで避けるが疲労しかけている)

ミツマタはこれに対して、足を交差し正中線を外すことで槍をかわし、半回転して元の方向に向き直りながら槍で水面を斬り上げた。その水しぶきは強い指向性を持つ縦長の波となってセラに直進した。

セラは再び波を出現させようとするも水飛沫が少々上がるだけで波には成らず、不発に終わる。

セラ「…相手の有利な地形に行ってしまったのが間違いだったわね…」

セラは自分の判断力を悔いながら林に駆けていった。

エクリプス「…………!!!!」ロロロッ

ハンターの避けた瞬間に即座にその避けた方向に回り込み、触手でハンターにハンマー攻撃をしかける

「私の輝きはこの程度ではない、逃がさん」

ミツマタが槍を高く掲げると、その刃と生きた目の部分から閃光が放たれ、気づくと周囲は水中と似た感覚の、真っ暗闇の空間になっていた。

ミツマタ「何も見えないまま、果たして真似る余力などあるかな?」

ハンター「…くそ!うおああっ!」(義手で防御するが叶わず、シングのいる方に吹っ飛ばされる)

セラ「…私はあなたと違って、聴覚や感覚が優れているのよ」

ジョークス「おっとセラ君、一寸先は闇だぜ」

ジョークスはセラが遮蔽物の多い林に来ることを予測していた。闇に乗じたジョークスが唐突に現れセラのふくらはぎに巨大なバタフライナイフを突き刺す。

セラ「!?…全く聞こえなかった…!?」

ジョークスはすぐに後退し、闇に紛れた。

シング「ハンターさん!」

攻撃を受け止めたハンターの義手はひしゃげてしまい、動かすことができなくなっていた。

シング「ハンターさん…腕が…!」

歌による治癒能力があるシングでも、ハンターの義手を治すことは不可能だった。

ハンター「ぐうう、大丈夫だ…!このくらい…!」

ジョークス「「営業職は銃だけが武器じゃないんだぜ!ほら、お前の目の前に・・・」」ブワッ

ジョークスは闇からセラの顔に向かって泥を蹴飛ばす

セラの周囲で幻術の水が水流を起こし、時折発行器の青い光が点滅して、そこにミツマタが泳いでいることを示唆した。そしてミツマタはセラの周囲を旋回し、セラの出方を見続けた

ジョークス「「ケッヘヘヘ!ウルフパックだぜぇ~!足から出血、視界は潰れて最悪の状態だな!!セラ!お前が助かるすべはもう無い!泣いて後悔しろ!震えて死ね!」」

闇の中から・・・どこからともなくジョークスの精神攻撃が続く

エクリプスが今度はシングに狙いを定める

キィィンドンッ

巨大な火球がシングを襲う

セラにはジョークスの煽りに反応している暇などない。

セラ「こうなったら………残された道は…」

ジョークス(魚、そろそろ食い時だよな?いつでも合わせられるぜぇ)

ハンター「火球…!危ない!」(鎖を取り出し、火球に向けて回転させる)

ミツマタ(何をしだすか私にもわからない、最後までセラを動かし、動いた隙をつく)

ジョークス(こっちから魚は見えないけどまあいいや、あいつかセラの動いたタイミングにあわせるだけだ)

するとセラは二本の槍を同時に生成し、鋭い爪を出現させ、手の中二本の槍を回し地面に突き刺した。

それと同時に地面からアーチ状の黒褐色の角が幾本も生えて、まず彼女を覆い、ジョークスとミツマタに向かって飛び出してきた。

ジョークス「あ」ザクッ

ジョークスはセラの真後ろから拳銃を構えたまま地上から飛び出す突起に反応できずに尻に突起が挿さった

火球はハンターの回転する鎖でかき消され、シングへの直撃は間一髪逃れた。

体勢を立て直したシングがハンターに合図を入れ、歌を歌いハンターの身体能力を底上げさせた。

ハンター「うおお…!みなぎってくる…!」

ジョークス「AHHHHHHHHHHHHHH!?!?!?!?」

彼はひしゃげた義手を気にせず、サーベルを取りだし一気にエクリプスに向かって駆け出した。

ミツマタ「マズい!キツネ!」

ミツマタは槍で水流を起こし、自分に向かってきた槍は軌道をそらした

ジョークス「クソッッ!うそだろ!?完全に闇に紛れてたのに的確にボクのアナルを・・・いでええええええええ!!」

ジョークスは叫びちらし、完全に居場所を晒してしまう

ハンター(チャンスは10秒…!このまま攻撃し、カウンターに入った内に弱点を突く!)

ハンター「うおおおお!」(残り6.45秒、一気に飛び上がりサーベルを振り上げる)

セラ「ハァ…そこね…ハァ…ハァ…」

セラは片足だけで地面を力強く蹴り飛ばし一歩でジョークスに近付き、爪を奮った

エクリプス「……………!!!!!」

エクリプスは一本の巨大な腕でハンターに立ち向かう

先程のハンマー攻撃をもう一度繰り出すつもりだ

シングはエクリプスのカウンター攻撃を見て大きな声でハンターに向かって叫んだ。

「今だよ!」

ジョークス「ぐおおおおおおおおっ!!」ズバズバッ

ジョークスは尻と背中に重傷を負い、倒れ

際に最後の一撃を放(ひ)った

ジョークス「背中が、ケツが、ガバガバん”鳴っちまった”ぜ!狐の最後っ屁じゃおらぁぁぁ!」

ブウウウウッブボブボブボオオオッブシュウウウウッブゥゥゥゥッ

とてつもない破裂音と悪臭を伴うおならがジョークスの尻から放たれ、セラの顔面を直撃した

ジョークス「フヘヘ・・・これで完全に・・・視界も嗅覚も絶たれたな・・・やれ魚ぁぁぁぁっ・・・!」

ハンター「隙ありだクソ怪獣!」(残り2.59秒、サーベルを振り下げ突きの体制に入り、エクリプスの弱点を突き刺した!)

エクリプス「……………!!!!」ロロロロロロロロ…ロ…ロ…ッ

エクリプスは斬撃をくらい、ずずんと地面に倒れこんだ

「全く馬鹿馬鹿しい!」

ミツマタはセラの背後に泳ぎで追い付き、その勢いのまま槍の石突でセラの後頭部を突き、完全に動きを止めた。

ハンター「ハァ…ハァ…」(残り0秒、サーベルを抜いた)

シングは倒れ込んだエクリプスの異変に気づいた。

エクリプスの切り離した腕が再生し始めたのだ。

「気をつけて!また攻撃が来る!」

ぐごごごごとエクリプスが立ち上がる…

ハンター「…ああ」(素早くエクリプスから離れる)

瞬間、エクリプスの姿がふっと消えた

ハンター「…?どこ行った?」

エクリプスはハンターの遥か遠くの視線上に現れた

ハンター「何ッ!」

よく見ると、空気中に何かが浮いているのが見える

ハンター「…なんだ、あれ…?…まさか!」

……それは、ハンターの周り全域に無数に浮いていた。

エクリプスは瞬間移動で目眩ししていた間に、空気中に弾丸のドームを作っていたのだった!

ハンター(これは不味いぞ…!流石に全部避けきれるか…?)

エクリプス「……………!!!!!!」

無数の弾丸が一気にハンターを襲う!

ドドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!!!!!!

ハンター「くっ…!」

彼は一瞬目を瞑らせ、歯を食いしばった。

ハンター(神よ…どうか我に力を…)

シングがハンターを庇おうとするがシングの手は届かず、無数の弾丸はハンターに向かって直撃した…かのように見えたが。

セラは後頭部に石突で打撃を受けた瞬間抗おうとしたがそのような体力は残っておらず、意識を失った。

ハンターに弾丸が届くことはなかった。突如ワープポータルが開き、コピーキャットがすべての弾丸を生身で受け止めきった。

コピキャ「コピキャさんにおまかせなのだ!!・・・ぐぅぅっ・・・」ボタボタッ

アライグマのとくせいを模倣したとはいえ、コピーキャットの耐久性ではその後に戦うだけの力は残っていなかった。

コピキャ「ハンター・・・貴様は弱きフレンズを助け、我々を非情だと言ったな・・・我々RIoTが人間を第一に考えていることは忘れるな・・・」ふらっ

ハンター「コ、コピーキャット…!」

ピース「退け!敵の攻撃と同時の攻撃は人間にはリスクが高すぎるんですよ!他の戦法もなにかあるはず!」シュパンッ

次いで現れたピースメーカーはジョークスが投げた発煙筒や音響手榴弾、自分が撃ったレーザーなどのあらゆる物理的な攻撃の性質を考えていた。最も有効だった攻撃手段は何だったのかを。

ハンター「…わかった!」(すぐさまその場から離れる)

ズババババババババババババッ!!!!!

標的に当たらなかった弾丸には目も暮れず、エクリプスはハンターにもう一度目標を定める

口に火球がまたも溜められていく

エクリプス「…………!!!!!!」

ハンター「アイツ…!また火球を出すつもりか!」(再び鎖を取り出す)

瞬時にエクリプスはハンターの背後、1m以内に瞬間移動をした!

エクリプス「……………!!!」ガァ

ピース「くっ考える時間も無い!」バァンッ バァンッ

コルトを発砲する

エクリプスにはまたも通じない

表面が水面のように揺れ、ふわりと貫通する

徐にエクリプスはピースの方向を向き、溜めていた火炎弾をゴォっと吐き出した

ピース「うわ」シュパンッ

ハンター「ッ…!大丈夫か!?」

地面に火炎弾が着弾し、大爆発する

その隙にまたもエクリプスはハンターの死角に瞬間移動し、横方向からの強打攻撃を仕掛けた

エクリプス「………!!!」ビュンッ

ハンター「何ッ…!」

ピース「やばいこいつ攻撃にも隙がない」ジュビィィッ

武器を量産型サンドスタールビーレーザー加工機に持ち替えレーザー攻撃を行う

レーザーも貫通し、怯んだハンターに記憶消失波を強めに発射した

その後即座にゆらりと姿を消し、幽霊のようにピースの背後に回り込む

右腕はもう火球をいつでも発射できる状態だ

エクリプス「………………!!!!」ォォォォォォッ

ハンター「うッ…!ぐぐっ…」(記憶消失波をモロに食らった)

ピース「え、どこに」シュボッ

偶然持ち込み物にあったタバコのカートンにライターで火を付けながら消えたエクリプスを探してあたりを見回す

エクリプス「………………!!!!!!」ホロロロロロ…

エクリプスは喉を鳴らしながら、腕の発射口から勢いよく火球を発射した

ピース「後

ゴワァァッ

ピースメーカーは反応に遅れて全身が炎上した。

シュパァンッ

炎上したピースは発光して燃える衣服を残して後方に肉体だけをワープさせた。

ピース「っぶねえっ!?」ハァッハァッ

エクリプスの放火によりタバコのカートンの紙箱が燃えて有害な副流煙がエクリプスの周囲に拡散する。

エクリプスは触手を高速回転させて煙を振り払い、その触手で空気をなぞる

途端に空気中にきらりひかる弾丸が生成され始めた

エクリプス「……………!!!!!!」

弾丸が四方八方に無差別攻撃を始めた!

全裸ピース「うっ・・・」シュパンッ

「ガスや毒も」シュパンッ

「あまり」シュパンッ

「効いてな」シュパンッ

「い」シュパンッ

「そう言えば研究所でも」シュパンッ

「ジョークスの」シュパンッ

「おならも」シュパンッ

「意に介して」シュパンッ

「なかった」シュパンッ

「気がする」シュパンッ

連続でワープを繰り返し攻撃をかわすピース。

飛翔しながら全弾回避を確認するとまたも瞬間移動を繰り返し、様子を伺うエクリプス

ピース「クソッ・・・視界外に動かれると危険だ・・・そういえば私もそうか・・・」

ピースは行った様々な攻撃手段が無効であり、研究所でのエクリプスの反応について再考していた。

(あのときはの氷の棍棒とジョークスの銃撃と火炎放射とおならと発煙筒と・・・光と、あと爆音が鳴り響いていましたね、あれは音響手榴弾だったかな?)

バァンッ

その時、やや遠くで丁度その聞き覚えのある爆発音が響いた。

ピース「そうだ、音だ!」

ピースの頭の中でパズルのピースが繋がった。

ピース「あのときリプリーが大声で叫んでいたのにも反応した、銃声にも反応する・・・エクリプスには聴覚があった!だから音響手榴弾にビビったのかもしれない!!」

ジョークス「ってピースが考えてくれてることだろう・・・なんかカキョーインみてえなシーンだな・・・あとは任せたぜ、ハンター、ピース、リプリー、なんかいたあの二人の鳥・・・」

ジョークスはピースが、音響が有効である可能性を伝えるために音響手榴弾を空に放り投げていた。そして失血により気絶した。

その一方

ハンター「うう…頭が痛ぇ…」

彼にかけられた記憶消失波の効果が少し薄まった。

ハンター「…どうして俺は鎖を持ってんだ…?…まあ、そんなことはいい。今すぐヤツの方に向かわなくてはな」

ミツマタヤリウオはセラを荒縄で縛り上げ、その上から"輝き"を封じる札を張り、地面に五芒星を描いた。

「これでセラの動きは封じたが、このままキツネを放っておけない……! 尻の止血なんて、どうして私が!」

ジョークス「AHHHHHHHHHH!?!?!?!?❤️❤️❤️ッッッ!?!?!?」

ジョークス「いてえ~!いてえよーーーー!!!!」

向かってくるハンターに視線を向けるエクリプス

口を大きく開けて火球の準備をし始めた

ミツマタ「騒ぐな!お前の尻なんか見たくもないのに! このあたりにまっとうな医療設備のある場所は……最寄りの管理センターか?」

ハンター(確かこれは…瞬間移動するための予備動作も兼ねているらしいな…万が一の為に回りの気配も読み取っておこう)

エクリプスが火球を一直線に発射する

ジョークス「いいよ行かなくてぇ・・・もともとガバアナルだし、ケツから腸って細胞入れ替わるの速いから大丈夫だろ、そういえばその菌や細胞の死骸と食ったもんの消化物が・・・いや、いいやこの話は。背中消毒してくれや、野生動物に引っかかれると雑菌が気になってな・・・あぁ背中今どうなってんの・・・?」

ハンター「…瞬間移動はしなかったか」

彼は向かってくる火球をすぐさま避けた。

しかしその後、ハンターは何か違和感を感じた。

ハンターの後ろからはチリの弾丸が迫り、ハンターの前方にはエクリプスが大きな触手を振り下ろそうとしていた!

エクリプス「……………!!!!」コォォォォォッ

ピース「後ろっ!」

ハンター「うおおっ!」(すぐにしゃがみ、横に地面を蹴りあげ間一髪で避ける)

瞬間、エクリプスは次の動作に移っていた

ピースの上空にその触手の攻撃動作ごと瞬間移動し、地面に打ちつけた後に反対方向の腕から火球を直接ピースに放射した

ハンター「ッ!危ない!」

ピース「ぐぇ・・・」

ビタンッ

ゴワァァッ

肌を晒したピースメーカーはなすすべもなく肉だたきに逢い、こんがり調理されてしまった

ピース「私はいいっ・・・!にげろ・・・!」

ミツマタ「今はこの止血液を撒布するしかない、動かないで」

ミツマタはジョークスのジャケットを脱がせ、そこへ静かに止血液を注ぎ、持っていた手ぬぐいで傷を覆った。

ハンター「ッ…!わかった…!」(その場から離れる)

ミツマタ「これで少しは保つでしょう」

ジョークス「ンヒィィィィィィッいてええよクソボケがぁぁぁぁぁぁあっ・・・あ、これは科学的に証明されてる暴言で痛みを抑えるすべだから気にすんな。」

ジョークス「・・・くっそ、背中かぶれたらボクの爆乳デカ尻ムンムンパーフェクトボディがケガドルになっちまうぜ・・・」

ミツマタ「うつ伏せのままでいて、あの合体セルリアンはどうするの? あなたをこのまま一人にはできない」

ジョークス「奴はピースが音響兵器かなんかで足止めしてくれてるだろ。あとはトキみたいな歌へたグランプリなフレンズが叫んだりすればなんとかなるんじゃね・・・?」

ーーー

ピース「くっ・・・今ある方法で少しでも大きな音をっ・・・」

ピースはうずくまったまま用意できる限りの爆薬や音響手榴弾を身の回りに”召喚”しまくった。

エクリプスはピースにゆっくりと近づく。目を爛々と光らせてパワーを溜めている。

この威力の記憶消失波を一度喰らえばたちまち廃人と化してしまうだろう。

ゆったりと首を近づけ、ピースに記憶消失波を繰り出そうとした

ピース「ハトの最後っ屁ですよ、この脳カン野郎が」

バァァァァァァァンッ

ピースのばらまいたありったけの音響手榴弾と爆薬により爆雷音が1キロメートルにも渡り鳴り響いた。

ピースは激しい衝撃により吹き飛び、完全に気絶した。

エクリプス「……!?!?!?!?」

エクリプスは大きく狼狽え、結合部が大きくぐらりと揺れ、左腕と右腕がぼとりと落ちてしまった

左腕のセルリアンの「コアトール」と右腕のセルリアン「スクイッド」がうねうねと地面でのたうち回っていた

ハンター「…成る程な、あの強大なデカブツは、実は集合体に過ぎなかったと言うことか…」

ハンター(ピース、感謝する)

彼はサーベルを握り、コアトールに切りかかった。

コアトール「…………!!!」ずもももっ

コアトールはサーベルをひらりと交わし、弱い電撃攻撃でハンターを牽制する

ハンター「ぐっ…!だがそんな電撃程度じゃ俺は倒せねぇぞ!」(何度もサーベルをコアトールに振り回す)

遅れてスクイッドも触手で立ち上がり、横からスミをハンターの顔に吹きかけた

コアトールはひらひらと上空に飛び上がり、またエクリプスの腕に取りつき、左腕が合体する

ハンター「ぐうう…!くそ!」(目の前がスミで黒塗られながらも、スクイッドに向かってサーベルを振り下ろす)

スクイッドも触手をべちゃべちゃと引きずり、エクリプスの腕へと合体を再開した

エクリプス「…………!!!!!」ロロロロロロロロッ

ハンター「ハァ…ハァ…」

顔を拭き視界を開けたが、その目の前には復活したエクリプスがいた。

マグナパウリア「んっ、ここにいたか!エクリプス!!!」

突如草陰よりどしどしと大型のフレンズが現れた。

マグナス「私はマグナパウリア。異常なセルリアンがいるとの情報が入って出向いてみれば、おかしな光と爆音があったものでな。」

そうすると、マグナパウリアは大きく息を吸い込み、特大の音攻撃を放った!!!

「バルルルォォォーーーーーーーーンッ!!!!!!!!」

エクリプス「?!?!?!?!?」

エクリプスの合体がみるみるうちに解けていく。

マグナス「こいつは音に弱いんだ。我々は電子機器障害を防ぐために口頭で知らせを受けられる特殊な情報伝達を個別で用意しているんだ。」

「さあ!トドメをさせるぞ!」

コピキャ「・・・うぐっ!?」

とてつもない轟音のショックで気絶していたコピーキャットが叩き起こされる。

コピキャ「戦闘は・・・まだ続いてるようだな・・・あの恐竜が助けてくれたのか?・・・クソ、耳が聞こえん」

コピーキャットは二度の爆音により聴覚を損傷してよろけながら立ち上がった。

コピキャ「おい、そこの恐竜、私は貴様の攻撃を完全に模倣できる。少し失血気味だがな。」

マグナス「ああ、奴らは動けない状態だがいつ復活するかわからん。お前は一番小さい頭の部分のあいつを倒してくれ。あいつを潰せばもう合体はできない!」

「私は残りの厄介なやつを始末する、頼んだぞっ!」

コピキャ「すまんが耳をやられたようで何も聞こえん。見て”学ぶ”。貴様の技を見せてみろ・・・」

マグナス「ぬう、わかった。」

マグナスは小さなセルリアンに指を刺し、次に自分を指差し、両腕でバッテンを作った。そして即座に他のセルリアンを殴り始める

まずは触手セルリアンスクイッド、空を飛んで逃げ回る蛇セルリアンコアトール、それぞれの尻尾や触手を掴んで殴り抜け、巨石型セルリアンゴーレムの足を掴み、筋肉セルリアンのトロルに投げつけてぱっかーんした

最後に像型セルリアンのガーゴイルの首に馬乗りになりながら顔面を叩きまくり、再度コピーキャットに合図をした

残りは精霊セルリアンのグレムリンのみが、とてとてとその場から逃げようとしていた

コピーキャットはマグナスと全く同時にシンクロして攻撃を行った。

即座に精霊セルリアンを殴り始める

まずは頭部を掴んで殴り抜け、再度足を掴んで地面に投げつけた

最後に頭上に馬乗りになりながら顔面を叩きまくり、精霊セルリアンをぱっかーんして再度名も知らぬ恐竜フレンズに話しかけた。

「ふん、傷ついた私にはこいつだけを始末できれば充分だといいたいのか?全く傲慢な奴だ。恐竜というやつは皆自分の強さを無駄に誇り誇示する。・・・まあ仕事が楽になったことと命が助かったことは感謝してやる。」

「そしてハンター、貴様は自分の肉体を弁えるんだな。本来はこの人数が連携すればここまで手こずらずには済んだはずだ。」

自分の声が聞こえないためやや訛り気味にコピーキャットは伝え、座り込んだ。

ハンター「…申し訳ない」

彼はそう言った。

エクリプス騒動の後、RIoT社員はセントラルのフレンズ病院に救急搬送され、一命を取り留めた。

宮の使いは同病院で手当てを受けてすぐに立ち去った。

セラは要注意経過観察対象として大病院でセルリアンの洗脳による後遺症と危険性がないか永い期間の精密検査を受けることとなった。

特定特殊生物研究班は本件に関わるセルリアンの生態に関する情報を改めて収集することにした。

ハンターは治療と義手の修理が済むまでの期間、休養を余儀なくされた。

洗脳や情報妨害を行うセルリアンは瞬く間にパークや本土に広がり、人間やフレンズ達は情報をネットワークで分散することの重要性や、セルリアンによりう情報媒体にも危険が及ぶことを再確認し、そして普段の生活に戻ったり戻らなかったりした。

おしまい

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